五輪中の地震・台風、備えは?=「首都直下」訓練、避難に課題も

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東京五輪・パラリンピックを約半年後に控え、期間中の災害対策に注目が集まっている。国や大会組織委員会は、首都直下地震などに備えた訓練を実施。内閣府担当者は「最も突発的な事態である地震時の対応手順をしっかり踏めば、水害にも応用できる」と強調するが、多数の観客の避難誘導や訪日外国人への情報提供など課題も浮き彫りになった。

10月には台風19号の影響で、開催中だったラグビーワールドカップ(W杯)の一部試合が中止となる事態が発生。五輪期間中の災害直撃も十分考えられる。

8月、国は毎年恒例の首都直下地震を想定した図上訓練を、東京五輪に照準を定めて初めて行った。組織委や関係省庁、競技会場のある4都県から171人が参加。大会真っただ中の来年7月31日正午の地震発生を想定した各機関の行動計画を集約し、連携方法を議論した。

ここで本番へ向けた課題に挙がったのが、地震で交通機関がストップし、観客らが帰宅困難者となった場合の対策だ。主催した内閣府によると、代替輸送の調整や一時滞在施設の開設などの手順を確認したが、外国人を含む観客への災害情報の提供方法や、一時避難施設への誘導、支援物資の配布について、より詳しく検討する必要が生じたという。

東日本大震災では首都圏で約515万人の帰宅困難者が発生。実際には、当時より増えた訪日客もプラスされる。先の担当者は「残り半年、各機関で詰めなければいけない部分だ」。

災害情報の提供をめぐっては、国土交通省が五輪へ向け、英語や中国語など4カ国語で地震や水害時の被害状況などを確認できるサイト「防災ポータル」の運用を始めたが、浸透しているとは言い難い。年末には、組織委や都、警視庁などが連携し、首都直下を想定した初の実地訓練が有明体操競技場(江東区)で行われた。漏れのないよう関係機関一体となった対策が求められている。

首都直下型地震を想定して行われた避難訓練で、負傷者の救護に当たる東京消防庁の職員(手前左)=19日、東京都江東区の有明体操競技場首都直下型地震を想定して行われた避難訓練で、負傷者の救護に当たる東京消防庁の職員(手前左)=19日、東京都江東区の有明体操競技場

首都直下型地震を想定して行われた避難訓練で、飲料水を配る男性(中央)=19日、東京都江東区首都直下型地震を想定して行われた避難訓練で、飲料水を配る男性(中央)=19日、東京都江東区

8月に行われた首都直下地震の図上訓練の様子(国土交通省提供)8月に行われた首都直下地震の図上訓練の様子(国土交通省提供)

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