ゴーン被告がレバノン入り=保釈中、無断渡航か―声明で「政治的迫害から逃れた」

社会

日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告(65)がレバノン入りしたことが31日、分かった。ゴーン被告は日産資金を自身側に還流させたとして会社法違反(特別背任)罪などに問われ、東京地裁の決定で、海外渡航の禁止などを条件に保釈されていた。関係者によると、検察側、弁護側とも事前に出国を把握せず、無断出国の疑いがある。

ゴーン被告は声明を発表し、レバノンにいることを認めた上で「不当な処置や政治的迫害から逃れた」と主張した。

ゴーン被告はレバノンにも国籍がある。パスポートを弁護士に預けることも保釈条件の一つで、弁護団によると、3冊を預かったという。関係者によると、ゴーン被告名での出国記録は見つからず、出国方法ははっきりしない。地裁は同日夜、東京地検の請求に基づき、保釈を取り消した。納付済みの保釈保証金計15億円も没収する。

検察当局は外交ルートでの引き渡し要請を検討するとみられるが、レバノンとの間に犯罪人引き渡し条約はない。レバノン側が自国民の引き渡しに応じるかは不透明だ。

弁護団の弘中惇一郎弁護士は同日午後、記者団に「報道以上は知らない。当惑している」と語った。被告とは連絡が取れていないという。弘中弁護士によると、ゴーン被告は24日に事務所での会議で今後の公判の打ち合わせをし、25日に地裁であった公判前整理手続きに出席した。2020年1月7日の次回会議にも参加する予定だった。

英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)や地元メディアによると、ゴーン被告はベイルートの空港にプライベートジェットで到着した。AFP通信は現地時間30日、ゴーン被告が同日レバノン入りしたことを治安筋が確認したと伝えた。

弁護士事務所が入るビルを出る日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告=2019年3月6日夜、東京都千代田区弁護士事務所が入るビルを出る日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告=2019年3月6日夜、東京都千代田区

カルロス・ゴーン被告の制限住居の周囲を警戒する警察官=31日午前、東京都内カルロス・ゴーン被告の制限住居の周囲を警戒する警察官=31日午前、東京都内

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