震災、取材で自分ごとに=女子学生、知らない世代が伝える―阪神大震災25年

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阪神大震災を直接体験していない若者らが、災害をテーマに取材した記事を掲載しているウェブサイトが「リメンバー117」だ。参加する神戸女子大2年の原郁海さん(20)=神戸市須磨区=は、「自分は大丈夫」と災害への危機意識が乏しかったが、「初めて重くとらえ始めた」と語る。

発生から25年を迎えるのを機に兵庫県などが企画し、震災以降に生まれた高校生と大学生計27人が参加。各自、「災害とキャッシュレス」「ボランティアと就活」など興味があるテーマを決めて取材する。編集のプロの助言を受けながら、災害について自分なりに考える。

震災をあまり意識したことがなかったという原さん。神戸市内の小学校で、復興への願いを込めた曲「しあわせ運べるように」を毎年合唱していたが、「もうそういう時期か」と思うだけで、母や祖母に被災体験を尋ねることもなかった。

陸上競技をやめ、何かに打ち込みたいと思っていた時、大学のホームページでリメンバー117を知った。シングルマザーの家庭で暮らし、周りは女子大生という生活を送っていることから、テーマを「震災と働く女性」に決めた。

最初に取材したのは、須磨区の自宅でクリーニングの取り次ぎをしていた祖母の藤田牧江さん(75)。震災による長期間の断水で大量の衣類が持ち込まれ、毎日必死に働いたという。トイレに使う水を川からくみ上げるバケツリレーが行われていたり、親戚宅の風呂を借りるため電車に乗ったりしたことを初めて聞いた。

被災者を自宅に泊めたことやボランティアに助けられことも話してくれた。「まきえちゃん」と名前で呼ぶほど仲が良い祖母の知らない一面だった。「困っている人に何をすればいいんだろう」。自分も被災地ボランティアへの参加を決めた。

昨年12月には、犠牲者の鎮魂と復興の祈りを象徴する光のイベント「神戸ルミナリエ」の募金ボランティアに挑戦し、体験記事を書いた。今後も働く女性に取材を続け、記事を書くつもりだ。「ちょっとでも同世代の人に見てもらいたい。ずっと忘れないでいることの大切さを伝えたい」と力を込めた。

「チーム・リメンバー117」メンバーの原郁海さん=2019年11月20日、神戸市中央区「チーム・リメンバー117」メンバーの原郁海さん=2019年11月20日、神戸市中央区

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