改憲案提示呼び掛け=全世代型社保改革実行―韓国に譲歩求める・安倍首相施政方針

政治・外交

安倍晋三首相は20日午後の衆院本会議で施政方針演説を行った。憲法改正について「未来に向かってどのような国を目指すのか。その案を示すのは私たち国会議員の責任ではないか」と述べ、具体的な改憲案を提示するよう与野党に呼び掛けた。「全世代型社会保障改革」実現への決意も表明。元徴用工問題をきっかけに関係が悪化した韓国に対し、解決に向けた対応を迫った。

冒頭、首相は東京五輪・パラリンピックに触れ、「国民一丸となって新しい時代へ共に踏み出していこう」と提起。その上で、「わが国はもはや、かつての日本ではない。『諦めの壁』は完全に打ち破ることができた」と述べ、アベノミクスをはじめとする安倍政権の成果をアピールした。

憲法については「国のかたちを語るもの」と位置付け、「新たな時代を迎えた今こそ、未来を見つめ、歴史的な使命を果たすため、憲法審査会の場で共に責任を果たしていこう」と訴えた。

首相は「全ての世代が安心できる『全世代型社会保障制度』を目指し、改革を実行する」と明言。年金受給開始年齢の75歳までの拡大や、75歳以上の医療費窓口負担増などに取り組む考えを示した。

外交では、昨年の施政方針演説でほとんど触れなかった韓国に関し、「元来、基本的価値と戦略的利益を共有する最も重要な隣国だ」と指摘。関係悪化の原因となった元徴用工問題を念頭に「国と国との約束を守り、未来志向の両国関係を築き上げることを切に期待する」と述べた。

緊張が高まる中東情勢については、深い憂慮を表明。関係国に対話による解決と自制的対応を促すとともに、自衛隊による情報収集態勢を整備し、日本関係船舶の安全確保に当たる考えを示した。

首相は「戦後外交を総決算し、新しい時代の日本外交を確立する」と宣言。ロシアとの北方領土問題を解決する方針に「全く揺らぎはない」と強調し、「私と(プーチン)大統領の手で成し遂げる決意だ」と述べた。日本人拉致問題の解決に向け、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と無条件で向き合う決意も重ねて打ち出した。

習近平国家主席の国賓来日が春に控える日中関係については「地域と世界の平和と繁栄に共に大きな責任を有す」と強調。「新時代の成熟した日中関係を構築する」と述べた。

首相主催の「桜を見る会」の問題や、汚職事件に発展した統合型リゾート(IR)整備については言及しなかった。

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