ロシア選手の個人参加に期待=地域交流変わらず―五輪ホストタウン

社会

昨年12月、スポーツ界で史上最大級ともいえる厳しい処分がロシアに下された。組織的なドーピング問題で、世界反ドーピング機関(WADA)は同国選手団を主要国際大会から4年間除外すると決定。東京五輪・パラリンピックに国として出場できなくなった。同国選手の受け入れなどを行う各地のホストタウンは落胆しつつも、個人資格で出る選手の受け入れを想定し、前向きに準備を進めている。

福岡県宗像市のスポーツ施設「グローバルアリーナ」は7人制ラグビー女子チームの事前合宿地に決まっており、これまで選手らによる学校訪問のほか、和太鼓や着物の着付け体験など市民交流に力を入れてきた。彼女らをもてなすため、施設のシェフがロシアの郷土料理のレシピも習得しており、施設担当者は「(除外は)ショック。われわれではどうすることもできない」とやるせない表情を浮かべる。「個人として出場できる可能性はまだある。これまで通り準備をして待つのみだ」と変わらぬ思いを語る。

フェンシングチームと協定を結んだ千葉県長柄町。ロシア除外は「残念」としつつ個人参加選手の受け入れに前向きで、WADAの決定後の12月19日には、小学校2カ所でフェンシングや同国の文化を体験できるイベントを開催。町は海外との姉妹都市提携がなく、担当者は「この機会にロシアと交流を深められたら」と期待する。

大阪府池田市は男子バレーボールチームの事前合宿受け入れを予定。「個人参加でもこれまで通りお受けする。ロシア側もそのつもりで(準備を)進めていると聞いている」と説明。関連施設も予定通り改修を進めている。一方で「ロシアの旗を持って歓迎していいのか。交流事業で五輪マークを使えないかもしれない」と、ホストタウンならではの心配事も尽きない。

ロシア体操連盟と覚書を調印した新潟県加茂市には、昨夏同国チームが合宿し、公開練習や地元の子どもたちと交流した。大会指定の体操器具を導入しており、個人資格の選手を受け入れる方針。担当者は「国を背負っていようがいまいが、加茂で合宿した選手が五輪で良い演技ができれば」と話す。

和太鼓体験をする7人制ラグビー女子ロシア代表の選手ら=2019年4月10日、福岡県宗像市(同市提供)和太鼓体験をする7人制ラグビー女子ロシア代表の選手ら=2019年4月10日、福岡県宗像市(同市提供)

小学校でのイベントで留学生とロシア料理を食べる児童ら=2019年12月19日(千葉県長柄町提供)小学校でのイベントで留学生とロシア料理を食べる児童ら=2019年12月19日(千葉県長柄町提供)

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