不当行為の例示見送り=違反事例、独禁法で対応―年1回報告義務・巨大IT規制法案

政治・外交

政府の「デジタル市場競争会議」(議長・菅義偉官房長官)は28日、巨大IT企業の規制を強める「デジタル・プラットフォーマー取引透明化法案」の概要をまとめた。革新的なサービスの開発を妨げないよう規制対象となる「不当行為」の例示を見送り、違反事例には独占禁止法で対応する。一方、巨大ITには取引条件などの開示を求め、政府に対する年1回の運営状況報告を義務付ける。

法案は当面、大規模なネット通販やスマートフォンのアプリ販売を営む巨大ITを対象とする。顧客数や情報量で他を圧倒する巨大ITが強い立場を悪用し、中小の出品企業や利用者などに不利な取引を強いる事態を防ぐのが法案の目的だ。政府は近く閣議決定を経て今通常国会に法案を提出。早期に成立すれば、2020年度中にも施行する。

市場競争会議は当初、分かりやすい規制とするため、法案で不当行為の具体例を明示する方向で検討を進めた。しかし、あえて条文化すれば抽象的な表現とならざるを得ず「問題のない技術革新まで阻害してしまう恐れがある」(内閣官房幹部)と判断。「優越的地位の乱用」に当たる悪質な事例は独禁法で取り締まることにした。

法案概要は対象企業に開示を求める主な内容として「取引拒絶の判断基準」「契約変更の理由」など8項目を列挙。このうち「検索順位を決定する事項」「取得するデータの内容」など3項目については取引先企業だけでなく一般利用者にも公開し、利便性や透明性を高めることを求める。

運営状況は経済産業相が毎年度、報告を受け評価結果を公表すると規定。巨大ITに対し、出品企業に適切に対応したり、公正な取引を確保したりするための態勢整備に取り組むことも義務付ける。

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