台風19号のローン減免申請低調=弁護士会が活用呼び掛け―宮城

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昨年起きた台風19号の被災地で、住宅や自動車などを失った人を救済する被災ローン減免制度の申請が低調だ。2年前の西日本豪雨の際は200件以上の申請があったが、台風19号による申請は全国で約20件にとどまる。東日本大震災の被災者支援経験を持つ仙台弁護士会は、被災者が制度を知らずに新たにローンを組むと不利益を受ける可能性があるとして、弁護士ら専門家や行政機関への早期相談を呼び掛けている。

被災ローン減免制度は東日本大震災を機に作られた。災害救助法が適用された災害でローン返済が困難となった被災者が、同制度を利用して返済計画を作成すると、銀行などの債権者から借金の減免を受けることができる。

同制度に関する業務を行う「東日本大震災・自然災害被災者債務整理ガイドライン運営機関」(東京都千代田区)によると、西日本豪雨では昨年12月末時点で200件以上の申請件数があり、うち95件で借金減免が成立した。これに対し、同月時点の台風19号による申請件数は全国で約20件。宮城県内では今月24日時点で3件となっている。

阿武隈川の支流が氾濫し、土石流で大きな被害が出た丸森町五福谷地区の佐久間新平さん(71)は、「周囲には二重ローンを心配している住民もいるが、みんな落ち着いた生活をまだ取り戻せていない。多くの支援制度がある中で、全部を自力で理解して使うのは難しい」と被災ローン減免制度が普及しない理由を語る。

仙台弁護士会所属の小向俊和弁護士(44)は、「申請前にローンを組むと、制度が適用されない可能性が高まる」と指摘。「被災者は早めに弁護士や行政に相談してほしい」と呼び掛けている。同弁護士会では、電話や対面で無料相談を実施している。

台風19号で大きな被害を受けた宮城県丸森町の役場内に、仙台弁護士会が設置した相談ブース=24日午後、同役場台風19号で大きな被害を受けた宮城県丸森町の役場内に、仙台弁護士会が設置した相談ブース=24日午後、同役場

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