元看護助手の無罪確実に=検察側、有罪立証見送り―再審初公判・大津地裁

社会

滋賀県東近江市(旧湖東町)の湖東記念病院で2003年に死亡した男性患者=当時(72)=に対する殺人罪で、懲役12年が確定し服役した元看護助手の西山美香さん(40)の再審初公判が3日、大津地裁(大西直樹裁判長)で開かれた。検察側は有罪立証を見送り、判決で無罪が言い渡され、確定することが確実となった。

西山さんは罪状認否で「男性を殺していない」と起訴内容を否認、弁護側は改めて無罪を主張した。公判は10日に結審し、3月末に判決の予定。

冒頭陳述で検察側は「有罪である旨の新たな立証はしない。裁判所に適切な判断を求める」と述べた。一方、弁護側は「男性患者は自然死で、致死性不整脈やたん詰まりなどの可能性が高い」と主張。「自白による方法で殺害することは医学的に不可能で、自白は虚偽だ」と訴えた。

被告人質問で西山さんは、自白に至った経緯を「取り調べ刑事を好きになり、呼吸器を外したと言えば、大それたことなので関心を持って話を聞いてくれると思った」と説明。取り調べ中、禁じられているジュースやケーキなどの提供を受けたことを明らかにした。

弁護側は、たん詰まりの可能性を指摘する解剖医の所見を示した捜査報告書や、殺害を否定する西山さん自筆の供述書などを新証拠として請求し、採用された。これらの証拠は、滋賀県警が捜査段階で地検に提出しておらず、再審開始決定後に新たに証拠開示されていた。

西山さんは捜査段階の自白を公判で翻したが、懲役12年が確定。最初の再審請求は退けられ、12年に再び請求していた。第2次再審請求審で大阪高裁は、弁護側が提出した医師の鑑定書を根拠に「男性は致死的不整脈で自然死した疑いがある」と指摘し、再審開始を決定。最高裁も支持し、確定した。

再審初公判で大津地裁に入る元看護助手の西山美香さん(左から3人目)ら=3日午前、大津地裁前再審初公判で大津地裁に入る元看護助手の西山美香さん(左から3人目)ら=3日午前、大津地裁前

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