有本嘉代子さん死去=拉致被害者恵子さんの母―94歳、再会かなわず

社会

北朝鮮による拉致被害者の有本恵子さん=失踪当時(23)=の母嘉代子(かよこ)さんが3日、心不全のため兵庫県内の病院で死去した。94歳だった。支援団体の「救う会兵庫」が6日、発表した。恵子さんとの再会を信じ、待ちわびていたが、かなわなかった。

恵子さんはロンドン留学中の1983年、コペンハーゲンから家族に宛てた手紙を最後に、欧州で消息不明となった。88年に石岡亨さん=拉致当時(22)=から日本に届いた手紙で、有本さんが北朝鮮にいることが判明。嘉代子さんは夫明弘さん(91)と共に、外務省や警察、国会議員事務所などに何度も足を運び、安否確認を求め続けた。

政府は、日航機「よど号」ハイジャック事件の実行犯メンバー元妻の供述などから、メンバーが欧州から北朝鮮への恵子さん連れ去りに関与したと断定。2002年に拉致被害者に認定した。

嘉代子さんは、明弘さんと拉致被害者家族会で活動。各地で講演し、「恵子は生きている。子どもの顔を見るまでは死ねない」と訴えた。「体調を崩すと、恵子が帰るまでに生きていられるかという思いが頭をよぎる」とも語っていた。

16年4月に心臓を手術し、同12月ごろからは家事や外出も困難になり、神戸市の自宅で療養する日々が続いていた。

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