日欧EPA「潜在力大きい」=発効1年、欧州議会副議長インタビュー

政治・外交

【ブリュッセル時事】欧州連合(EU)欧州議会のシルバペレイラ副議長(ポルトガル出身)は5日、時事通信のインタビューに応じた。日本とEUの経済連携協定(EPA)発効から今月1日で1年を迎え、「日欧関係は最良の時を迎えている」と強調。対日輸出(昨年2~11月)が前年同期比6.6%増えるなどした現状に「非常に前向きだ」と述べつつ、「まだ大きな潜在力がある」とさらなる成果に期待を示した。

シルバペレイラ氏は日欧交渉の早い段階から議会審議の責任者となり、支持拡大に尽力。昨秋の叙勲で旭日中綬章を受章した。「交渉が成功してうれしい。世界で最も先進的な貿易協定だ」と誇る。

2013年に始まった交渉は難航した。しかし、自国第一主義を掲げるトランプ米政権が17年初めに発足したことで状況が一変。米国は日本などとの環太平洋連携協定(TPP)からの離脱を決めただけでなく、EUとの「環大西洋貿易投資連携協定(TTIP)」交渉も完全に暗礁に乗り上げた。似た立場に置かれた日本とEUが危機感を募らせたことで、同年末の日欧EPA妥結へ一気に前進した。

シルバペレイラ氏は「トランプ大統領の判断は歴史的な間違いだったが、公平でルールに基づく開かれた貿易秩序を支持し保護主義に対抗する力強いメッセージを発する機会になった」と振り返る。EPAには関税の削減・撤廃に加え、環境や労働、消費者保護なども盛り込まれ、「アジア太平洋地域で高い水準の貿易を促進するチャンスになる」と意義を説く。

また、デジタル化やデータ流通、気候変動対策などを挙げ、「日欧で今後協力できることは数多くある」とも訴えた。

一方、英国のEU離脱では日系企業の欧州事業への影響も懸念される。英EU間で円滑な取引を維持できるかは、来月に始まる貿易交渉で「英国側がEUの単一市場や環境、労働者保護などのルールに合わせるかどうか次第だ」と指摘した。

インタビューに応じるシルバペレイラ欧州議会副議長=5日、ブリュッセルインタビューに応じるシルバペレイラ欧州議会副議長=5日、ブリュッセル

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