夫のみ嫡出否認「合憲」確定=女性側の上告退ける―最高裁

社会

生まれた子との父子関係を否定する「嫡出否認」を夫だけに認めている民法の規定が、男女平等を定めた憲法に反するかどうかが争われた訴訟で、最高裁第2小法廷(岡村和美裁判長)は7日までに、原告の女性側の上告を退ける決定をした。規定を「合憲」とした一、二審判決が確定した。4裁判官全員一致の意見で、憲法判断は示さなかった。決定は5日付。

民法は「妻が婚姻中に妊娠した子は夫の子と推定される」と規定。夫は出生を知った時から1年以内であれば、自分の子ではないとする嫡出否認の訴えを起こすことができると定めている。

二審大阪高裁は2018年8月、「夫は父子関係から生じる扶養義務を免れたり、相続人から子を排除したりする直接の利益があるが、妻は父子関係の当事者ではない」と指摘。早期に父子関係を確定させるという嫡出推定制度の趣旨にも触れ、17年11月の一審神戸地裁同様、合憲と判断した。

一方、高裁は「妻や子に否認権を認めることが不合理となるものではない」とも言及。制度設計は国会の立法裁量に委ねられるべきだとした。

一、二審判決によると、原告の女性は夫からの暴力が原因で別居後、1983年に別の男性との間に娘をもうけた。夫に娘の存在を知られることを恐れて出生届を提出できず、娘とその子2人は2016年まで無戸籍だった。

[Copyright The Jiji Press, Ltd.]

時事通信ニュース 裁判 社会 日本