弱者にしわ寄せの懸念=難病患者、視覚障害者ら―マスク不足などで・新型コロナ

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新型コロナウイルスの感染拡大で、視覚障害者や難病患者らの生活にも影響が出かねないとの懸念が広がっている。マスクや消毒液の不足に気付くのが遅くなったり、必要性が高いのに入手できなかったりする恐れがあり、当事者団体は「弱い立場の人たちが抱える事情も知ってもらえれば」と訴えている。

日本難病・疾病団体協議会(東京都豊島区)は2月下旬、厚生労働相宛てに要望書を提出した。要望書では「免疫抑制剤を日常的に使用している患者が多数おり、一般の方よりも非常に感染しやすい状況が考えられる」と新型ウイルスへの危機感を表明。感染拡大阻止のため、対策や治療体制確立に努めることなどを求めた。

同協議会によると、日本国内でステロイドなどの免疫抑制剤を使用している難病患者は30万人以上と見込まれる。新型ウイルスの流行以前から、感染症対策としてマスクを日常的に使用している人が多いという。自身も免疫抑制剤を使っているという辻邦夫常務理事(60)は「不足が長引くと身に着けられなくなる事態にもなりかねない。難病患者は感染症にかかると治りにくいので困っている」と不安を口にする。

そもそもマスクや消毒液が売り切れ状態となっていることを把握しにくい人々もいる。日本視覚障害者団体連合(同新宿区)によると、スーパーやドラッグストアで売り場に品物がなかったり、張り紙で売り切れと告知されたりしても、視覚障害者は気付くことができない。

同連合の広報担当者は「館内放送などの音声で伝えてくれないと分からない」と説明。「いろんな人がいるので、情報伝達も工夫してもらえればありがたい」と話している。

難病患者の状況を説明する辻邦夫常務理事=4日午前、東京都品川区難病患者の状況を説明する辻邦夫常務理事=4日午前、東京都品川区

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