観光打撃、一段と深刻化=中韓の入国制限強化―新型肺炎

経済・ビジネス

政府が新型コロナウイルスの感染症対策として中国、韓国からの入国制限の強化を打ち出したことで、観光業への打撃は一段と深刻化しそうだ。すでに中国への航空便は感染拡大前に比べて8割減、韓国便は3割減と、旅客需要は大幅に減少しており、さらに落ち込むのは確実。業界関係者からは悲鳴が上がっている。

9日以降、中韓からの入国者は2週間、指定場所で待機することになる。観光目的の訪日は期待できない。中国と韓国からの訪日客は全体(2019年で約3188万人)の約半分を占めており、19年3月は両国から約130万人が訪れていた。今年はこの多くが失われる見通しだ。

すでに大幅な客数減に直面している観光地からはため息が漏れる。外国人に人気の京都市では、「今回の措置の前から大きな影響が出ている」(京都商工会議所)と、厳しい現状を訴える声が上がる。京都市の観光事業担当者は「4月に入国制限が解除されてもすぐに予約が戻るとは思わない」と影響の長期化に懸念を示した。

静岡県では1~4月の宿泊予約のキャンセル数が2月末時点で約49万人に上った。このうち約29万人は外国人だ。県商工会連合会は「今回の入国制限で打撃がさらに大きくなる」と肩を落とす。

新型コロナの感染者数が全国最多の北海道でも先行きへの不安が広がっている。道内の観光業者は「収束の見通しも分からない。このままでは倒産する会社も出てくる」と焦りをにじませた。

入国制限は日本人旅行者への影響も大きい。旅行大手各社はすでに取り扱いをやめている中国に続き、韓国ツアーについても6日から31日出発分までの中止を決めた。JTBは出国した人にも連絡を取り、早期の帰国を呼び掛けている。

海外で日本からの入国に制限をかける動きが出ており、大手旅行会社の関係者は「中韓に限らず、問題が落ち着くまで経営環境は厳しい」と語った。

人通りがまばらな京都・祇園の「花見小路通」=6日午後、京都市東山区人通りがまばらな京都・祇園の「花見小路通」=6日午後、京都市東山区

人通りが少なく閑散とした二条市場。普段は外国人観光客らでにぎわう=6日午後、札幌市中央区人通りが少なく閑散とした二条市場。普段は外国人観光客らでにぎわう=6日午後、札幌市中央区

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