国と東電に賠償命令=原発避難者訴訟―札幌地裁

社会

東京電力福島第1原発事故で、福島県からの避難を余儀なくされ、精神的苦痛を受けたなどとして、北海道に避難した住民らが国と東電に対し、計約42億4000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が10日、札幌地裁であった。武藤貴明裁判長は国と東電に対し、89人に計約5290万円の支払いを命じた。

原告側弁護士によると、原告は避難区域などから避難した住民ら約250人。国と東電を相手取った同種訴訟の一審判決は全国で11件目で、国の賠償責任を認めたのは7件目となる。

原告側は2002年に政府機関が示した地震の規模や発生確率を予測する「長期評価」などに基づき、事故につながった津波を予測できたと指摘。国と東電は、必要な対策や規制を怠ったと主張していた。国や東電は、津波は予見できなかったなどとしていた。

武藤裁判長は長期評価について、「専門家による十分な議論を経たもので、一定の信頼性がある知見」とし、津波の予見可能性を認定。東電に対する権限行使を怠ったなどとして、国の責任を認めた。東電についても、原子力損害賠償法に基づき支払いを命じた。

原告団の中手聖一団長は判決後、「(判決は)国と東電の責任を厳しく断罪した」と評価する一方、「賠償額などが小さく、被害の実相を十分に理解してもらえなかった」と述べた。原告側は控訴する方針。

原子力規制庁の話 国の主張について、裁判所の理解が得られなかった。

東電の話 判決内容を精査し、対応を検討する。

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