トヨタ、7年ぶりベアゼロ=賃上げ、前年割れ相次ぐ―新型コロナ逆風・20年春闘

経済・ビジネス

自動車、電機など大手企業の2020年春闘は11日、労働組合の要求に一斉回答する集中回答日を迎えた。相場形成を主導してきたトヨタ自動車は、基本給を底上げするベースアップ(ベア)を13年以来、7年ぶりに見送った。日産自動車は、ベアや定期昇給などを含む賃上げ総額が前年実績より2000円低い月7000円で、ホンダはベアが900円低い月500円で決着した。

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、国内外の景気減速懸念が急速に強まっている。7年連続でベアを回答した企業でも前年割れが相次ぎ、政府が企業に賃金改善を促す「官製春闘」を背景に14年から続く賃上げの勢いにブレーキがかかった形だ。

トヨタの賃上げ総額は月8600円。ベアゼロが響き、前年実績1万700円を大幅に下回った。豊田章男社長は回答時に「雇用だけは守り抜く。これからの競争の厳しさを考えれば、既に高い水準の賃金を上げ続けるべきではない」と理解を求めた。マツダもベアゼロだった。ホンダ労組はベアのほか、従業員の意欲を高めるための報酬も合わせて2000円を要求していたが、1500円で妥結した。

年間一時金は、トヨタが6.5カ月と満額回答。日産は5.4カ月、ホンダは5.95カ月。

日本製鉄は業績悪化を受け、ベアを7年ぶりに見送った。2年分を一括交渉しており、21年度も賃金を据え置く。米中貿易摩擦に伴う需要低迷から高炉休止を余儀なくされた上、新型コロナが景気の先行きに影を落としているためだ。JFEスチール、神戸製鋼所もベアゼロを回答した。

三菱重工業、IHI、川崎重工業のベアは月1000円(前年実績1500円)で妥結した。

電機大手の労組は各社の回答額に差が出ることを初めて容認し、実質1000円以上で決着。今春闘で脱横並びを掲げた経団連の中西宏明会長のお膝元、日立製作所は前年実績を500円上回る月1500円のベアを提示。東芝は前年と同じ月1000円のベアに加え、社内の福利厚生制度で利用できる月300円相当のポイントも付与した。パナソニックとNECは、ベア額を圧縮した上で年金拠出額引き上げや福利厚生ポイントを組み合わせて月1000円の賃金改善を行う。

2020年春闘の集中回答日を迎え、各社の回答状況を示すボード=11日、東京・日本橋(代表撮影)2020年春闘の集中回答日を迎え、各社の回答状況を示すボード=11日、東京・日本橋(代表撮影)

新型コロナウイルスの影響で、インターネットでの公開となった春闘回答速報のホワイトボード=11日、東京都中央区の金属労協本部(代表撮影)新型コロナウイルスの影響で、インターネットでの公開となった春闘回答速報のホワイトボード=11日、東京都中央区の金属労協本部(代表撮影)

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