犠牲者に追悼の祈り=教訓の継承課題―新型コロナ影響も・東日本大震災9年
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東日本大震災は11日、発生から9年を迎え、各地で犠牲者への追悼の祈りがささげられた。歳月とともに復興は進むが、街並みが大きく変貌し、被災当時の状況が忘れ去られることへの懸念の声も上がる。風化防止のため、記憶と教訓の継承が大きな課題となる。
岩手県釜石市鵜住居町の「釜石祈りのパーク」には大勢の人が献花に訪れ、午後2時46分の地震発生時刻に、サイレンの音とともに黙とうした。津波で母親を亡くした大学生の和田早希さん(19)は「9年は長いようでもあっという間のようでもある。母がどこかで見守ってくれていたらと思う」と話した。
パークは、多くの人が犠牲になった防災センターが解体、整地されて造られ、慰霊碑には市内の犠牲者のうち1001人の氏名が並ぶ。
児童74人と教職員10人が津波の犠牲となった宮城県石巻市立大川小学校にも、遺族らが集まり、手を合わせた。5年生だった次女千聖さんを失った紫桃隆洋さん(55)は、周辺の整備が進むことに不安を感じているといい、「訪れた方が防災や命の大切さを考えられるよう、伝え続けていきたい」と話した。
東日本大震災の慰霊追悼施設「釜石祈りのパーク」で、地震発生時刻の午後2時46分に黙とうする人たち=11日、岩手県釜石市
地震の発生時刻に大川小学校の前で黙とうする人たち=11日午後、宮城県石巻市
津波で亡くなった娘の発見場所で手を合わせる鈴木典行さん=11日午後、宮城県石巻市
東日本大震災の慰霊法要で犠牲者をしのぶ遺族ら=11日午後、福島県いわき市
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