東北被災地「来年こそ」=復興五輪、延期も前向く―東京五輪

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東日本大震災からの「復興五輪」を理念に掲げる東京五輪の延期決定を受け、東北の被災者からは25日、「来年こそ復興の様子を伝えてほしい」と延期後の大会に期待する声が上がった。

津波で小学6年生だった次女真衣さん=当時(12)=を亡くした宮城県石巻市の鈴木典行さん(55)は、「娘と一緒に」との思いで、聖火ランナーとして被災地を走ることを心待ちにしていた。車で聖火を運ぶ計画が浮上していたため、延期と聞いて「少し安心した」という。「ランナーが走ってこそ、それぞれの思いを多くの方に伝えることができる。車で運ぶだけでは復興五輪と言えない」と語った。

鈴木さんは五輪について、「延期するからには完全な形で開催してほしい。私も1年間、しっかり準備をして本番を迎えたい」と述べ、来年に目を向けた。

原発事故で福島県富岡町から避難し、同県郡山市で暮らす田口キミ子さん(71)は「命に関わることなので、延期は残念だけど妥当かなと思う」と話す。帰還は考えていないが、古里での聖火リレーは見に行くつもりで、「友達に会う機会になるので楽しみ」と1年後の開催を願った。

野球・ソフトボールの会場に予定されていた福島県営あづま球場(福島市)。近くに住む主婦(37)は「仕方がない。判断は正しいし、そうなる予感はしていた」と話す。延期後の五輪に、「(被災地には)風評被害などがあるので、復興していく様子が伝わったらいい」と期待した。

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