密輸対策にユーチューブ活用=摘発強化狙い、動画投稿―財務省

政治・外交

財務省が密輸阻止に役立てようと、動画投稿サイト「ユーチューブ」による情報発信に本腰を入れ始めた。覚せい剤や金の密輸が深刻化する中、税関を所管する関税局の職員が具体的な手口などを紹介する動画を作成・投稿。密輸対策への関心を高めて通報を増やし、摘発につなげたい考えだ。

担当するのは関税局の女性職員2人。動画作成の経験を全く持たない素人で、高価な編集ソフトも使っていない。通常業務をこなしながらの作業のため、作成に2カ月かかった動画もある。担当者の一人は他のユーチューブ動画を研究しながら、「どうすれば視聴者の興味を引き付けられるか頭を悩ませている」と苦労を明かす。

動画は、関税局が運営するアカウント「税関チャンネル」で視聴できる。「覚せい剤1トン密輸の現場」と題した動画では2019年6月、静岡県南伊豆町の海岸で、通常の全国年間押収量に匹敵する約1トンの覚せい剤を一度に押収した事例を紹介。漁師が漁港で不審な外国人を見つけてから、税関が摘発するまでの様子をアニメーションを交え詳細に伝えている。

「2019年密輸の摘発が大変なことに」という動画では、金塊を体中に巻き付け、偽装のためにその上から肌色のシリコンジェルで特殊メークを施す手口を紹介した。

全国の税関による19年の不正薬物の押収量は前年比約2.2倍に急増し、初めて3トンを突破。こうした状況をにらみ、財務省は水際対策を強化しており、今後も積極的に新しい動画を投稿する方針だ。

財務省が「ユーチューブ」に投稿した動画の一部(同省提供)財務省が「ユーチューブ」に投稿した動画の一部(同省提供)

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