新型コロナ「長期戦覚悟を」=事態悪化なら学校再開見直し―安倍首相会見

政治・外交

安倍晋三首相は28日、首相官邸で記者会見し、新型コロナウイルスについて「いつ急拡大してもおかしくない。長期戦を覚悟する必要がある」と最大限の警戒を呼び掛けた。小中高校の休校については、来週中に開く専門家会議の判断次第で、春休み明けからの再開方針を見直すこともあり得ると表明。打撃を受けた経済を下支えするため、「リーマン・ショック時の経済対策を上回るかつてない規模の対策を取りまとめる」と訴えた。

会見は2020年度予算の成立を受けて実施。首相はこの後開かれた政府対策本部で、補正予算案を10日程度で取りまとめるよう指示した。

首相は会見で、改正新型インフルエンザ対策特別措置法に基づく緊急事態宣言を出す状況には現時点で至っていないものの、「ぎりぎり持ちこたえている。瀬戸際の状況が続いている」と指摘。「医療崩壊は決して対岸の火事ではない。恐ろしい敵と不屈の覚悟で戦い抜かなければならない」と述べ、東京都の小池百合子知事らが要請した外出自粛に応じるよう求めた。

学校再開に関しては「子供たちの健康、命がかかっている。慎重な対応が必要だ」と指摘。「前の決定にこだわってはならない。あくまで専門家の判断だが、当然変わることはあり得る」と述べ、感染が深刻な地域の休校継続をにじませた。

首相はまた、「有効な治療薬やワクチンの開発を世界の英知を結集して加速する」と述べ、富士フイルムのグループ会社が開発した新型インフルエンザ薬「アビガン」の増産と治験を始めるなどと説明した。

一方、首相は経済対策について「国税・地方税の減免、金融措置も含め、あらゆる政策を総動員し、かつてない強大な政策パッケージを練り上げる」として、事業規模で56兆8000億円だったリーマン・ショック時の対策を上回る措置を講じる考えを強調。「一気に日本経済をV字回復させていく。旅行、運輸、外食、イベントなどに短期集中で大胆な需要喚起策を講じる」と語った。

経済対策の柱として、収入が減少した世帯などに対象を絞って現金給付を実施する考えを示した。自民党内では全国民への一律給付を求める声が強いが、首相は「リーマン・ショック時の経験に鑑みれば、ターゲットをある程度置くべきだ」と指摘。給付額は「思い切った額」と述べるにとどめた。これまで可能性を排除していなかった消費税率引き下げには否定的な考えを示した。

記者会見に臨む安倍晋三首相=28日午後、首相官邸記者会見に臨む安倍晋三首相=28日午後、首相官邸

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