居酒屋から灰皿消える=禁煙「コロナに追い打ち」―東京・歌舞伎町

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飲食店などに原則禁煙を義務付ける改正健康増進法が1日、全面施行された。東京都新宿区歌舞伎町の飲食店では、同日午前0時とともに店内から灰皿が下げられる光景が見られた。

歌舞伎町の「新宿ゴールデン街」で16年続く居酒屋「ばるぼら屋」。店舗面積は100平方メートル以下で、同法では例外的に喫煙が認められるが、より厳しい都条例が適用され、全面禁煙となる。

店の壁は、やにと油で茶色く染まり、17ある席はどこに座っても灰皿に手が届く。「吸えなくなったら二度と来ない」と常連客に告げられたという店主笠井正美さん(65)は「影響は不安だが、煙を嫌って入店しない人もいる。実は禁煙にしたかったので、いい機会になった」と打ち明けた。

「禁煙店になった」。午前0時を回ると、笠井さんは複雑な表情を浮かべながら、「従業員のためにも」と店の扉に禁煙のステッカーを貼り、13個あった灰皿を片付けた。今後、一服したい人には店を出て敷地内で吸ってもらうという。

一方、「4月より全席禁煙」の貼り紙がある串焼き店では、日付が変わった後も都内の男性会社員(30)がたばこをふかしていた。「居酒屋で吸えるのが最後と思うと感慨深い」と漏らし、「路上でも吸えない。増税して1箱1000円払ってでも吸いたい」とやけ気味に話した。男性従業員(25)は「新型コロナウイルスの影響で、ただでさえ客が減っているのに追い打ちだ」とうなだれた。

全面禁煙となり灰皿を片付ける居酒屋の店主=1日未明、東京都新宿区全面禁煙となり灰皿を片付ける居酒屋の店主=1日未明、東京都新宿区

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