安全誓い、犠牲者悼む=新型コロナで慰霊式中止―福知山線事故から15年

社会

兵庫県尼崎市で乗客106人が死亡、562人が重軽傷を負ったJR福知山線脱線事故は25日、発生から15年を迎えた。JR西日本は事故後に入社した社員が半数を超え、風化を懸念する声も聞かれる中、関係者は改めて再発防止を誓った。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、慰霊式は初めて中止された。JR西の長谷川一明社長は同日、役員らと共に事故現場を整備した「祈りの杜」を訪れ、献花した。

長谷川社長は「時を経ても、世代が代わっても、安全性の向上に努めていかなくてはならない」と決意を新たにした。

JR西では今春、事故後に入社した人が52.1%となり、初めて半数を超えた。世代交代が進む中、安全意識を高める取り組みが求められている。

同社は昨年11月、事故車両を研修施設で一括保存する方針を表明した。一般公開はせず、社員の安全教育に活用するという。

3両目に乗り合わせ、重傷を負った玉置富美子さん(70)=兵庫県伊丹市=は、今も後遺症の痛みに苦しむ。これまでは事故現場で手を合わせてきたが、今年は自宅で犠牲者に「忘れないよ」と語り掛けた。「ちょっとした油断が事故を起こすということを思い返す日。JR西は相手の立場になって考える企業になってほしい」と話した。

当時54歳の妻を亡くした男性(70)も、今年は自宅で犠牲者の冥福を祈った。「再発防止を胸に刻み、被害者に向き合い続けてほしい」とJR西を見守り続けるという。

JR福知山線脱線事故の現場付近を通過する電車=25日午前、兵庫県尼崎市JR福知山線脱線事故の現場付近を通過する電車=25日午前、兵庫県尼崎市

献花後、慰霊碑に頭を下げるJR西日本の長谷川一明社長=25日、兵庫県尼崎市(代表撮影)献花後、慰霊碑に頭を下げるJR西日本の長谷川一明社長=25日、兵庫県尼崎市(代表撮影)

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