新型コロナ、雇用直撃=助成金低調、一斉解雇も―観光業界など苦境

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新型コロナウイルス感染拡大の影響で経営が悪化し、従業員を解雇する企業が増えている。厚生労働省は失業者の増加を防ぐため、従業員を休ませた企業に支給する雇用調整助成金を拡充しているが、利用は低調。外出自粛で需要が激減した観光業界を中心に、従業員を一斉解雇するなど厳しい対応が目立つ。

千葉県内でリゾートホテルなどを運営する中小企業は、16日に2軒のホテルで働いていた正社員約30人とパートらを一斉解雇した。支配人を務めていた男性は、当面は失業手当をもらった上で、新型コロナ終息後に求人を募集するので応募してほしいと伝えられたが、「解雇するまでにどのような努力をしたのか説明がなかった」と憤る。

この会社の経営陣によると、ホテルの4月の売り上げは前年のわずか2~3%にまで落ち込むなど、営業にならない状況だ。しかし、助成金は「いつ給付されるか分からず、見通しが立たない」として申請を見送った。上限額を超える分が企業負担になることも重荷になるという。

支援団体には労働者から相談が殺到する。NPO法人POSSEには27日までに新型コロナ関係で1364件の問い合わせがあり、最近は解雇関連の内容が増えている。今野晴貴代表理事は「企業が助成金を申請してくれないという相談が非常に多い」と話す。

厚労省が把握する新型コロナによる解雇や雇い止めは27日現在で3391人。助成金の申請は24日時点で2541件、支給決定は282件にとどまる。同省は対応する職員を通常の1500人から3900人に増やし、申請から1カ月以内の支給を目指す。

一方、与野党や労働関連の団体からは助成金の上限額引き上げを求める声が強い。加藤勝信厚労相は28日の閣議後会見で「(雇用)保険財政の中で回すのは厳しい」として改めて慎重な姿勢を示したが、雇用への影響が深刻化する中で対応を迫られそうだ。

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