不良債権問題、再発も=地銀、中堅企業に不安―共創基盤・冨山氏

経済・ビジネス

企業再生に詳しい「経営共創基盤」(東京)の冨山和彦最高経営責任者は30日までにオンラインインタビューに応じ、新型コロナウイルスの感染拡大が国内外の不良債権問題を再び引き起こす可能性を警告した。地域金融機関や中堅企業の財務基盤が傷む恐れも挙げ、「多様な政策を用意すべきだ」と訴えた。主なやりとりは次の通り。

―経済への影響をどうみる。

行動抑制で世界中の飲食、観光産業が打撃を受けた。今後、世界的な需要減少により、航空会社や自動車、家電、住宅業界の収益が悪化する。業績悪化が長引けば、資金繰りではなく企業の財務健全性の問題になる。(貸し付けが)不良債権化し、金融機関の財務が傷み始める。

―必要な政策対応は。

資金繰りの問題ならば、公的融資などでつなぐのが正解だ。ただし、企業の財務健全性の問題に発展すると、1990年代の日本の金融危機や2008年のリーマン・ショック後と同様に(国主導による銀行、企業の)債務調整や資本注入が不可欠になる。

―政府のコロナ危機対応への評価は。

(無利子融資など)資金繰り支援は早かった。だが、財務の健全性問題への対応はこれからだ。地方の中小企業とグローバル企業、大手銀行それぞれに応じた多様な支援措置を用意すべきだ。

―国内で懸念される産業は。

自動車は需要急減に直面するが、上位メーカーは体力がある。一方、部品メーカーは財務基盤が弱く、打撃を受けやすい。地方銀行は旅館などに貸し込んだところも多く、そうした銀行は厳しい。有力地銀とそれ以外で差が広がる。

―外出自粛の経済打撃は大きい。

行動抑制は短期間に徹底すべきだ。感染拡大が長引くほど、経済への打撃は大きくなる。「谷は短期間に深く」が望ましい。

◇冨山和彦氏略歴

ボストンコンサルティンググループなどを経て、政府が2003年、不良債権処理促進のため設置した「産業再生機構」の最高執行責任者に就任。機構解散後、07年にコンサル会社「経営共創基盤」を設立した。東京電力ホールディングス社外取締役なども務め、産業構造の変化への対応について問題提起している。和歌山県出身。

オンラインでインタビューに答える経営共創基盤の冨山和彦最高経営責任者=22日オンラインでインタビューに答える経営共創基盤の冨山和彦最高経営責任者=22日

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