「男女平等」「経済」も実現=SDGsで分野横断目標―環境省

政治・外交

環境省は、地球温暖化防止や水質・大気の改善といった普段の事業に取り組む際、環境だけではなく、「男女平等」や「経済活性化」といったさまざまな目標を併せて設定する取り組みを始める。女性の声を環境政策に反映させたり、雇用につながる気候変動対策を検討したりといったことを通じて、環境と社会、経済のそれぞれの側面でバランスのよい発展を目指す。

身の回りにある課題を解決して、よりよい世界をつくろうという国連の「持続可能な開発目標」(SDGs)を踏まえたもの。SDGsは貧困、教育などを含め17分野の目標で構成される。環境省として、健康は厚生労働省、インフラは国土交通省といった各省庁の縦割り打破にもつながるとみており、同様の取り組みを国内外に広める方針だ。担当者は「自治体に参考にしてほしい」と話す。

2020年度は、12程度の事業で分野横断的に目標を設定する。例えば、気候変動対策が主な目的の事業では、その内容を話し合う有識者委員の構成が男性に偏っているのを男女同数に向け改善。地域にある太陽光や風力といった自然エネルギーの活用を通じて地元に雇用を創出することや、温暖化により激甚化する自然災害に強いまちづくりの在り方などを検討する。これにより環境、男女平等、経済活性化、防災の目標を同時に掲げられる。

目標の設定に当たり、有識者や自治体、企業の関係者から意見を聞くほか、事業を行った後に達成状況を振り返り、次年度に教訓として生かす。将来的には、主要な約100事業のすべてで複数のSDGs目標を設定する。

SDGsに詳しい慶応大大学院の蟹江憲史教授は「先進的な事例だ」と評価。「短期的に達成しやすい目標を立てるのではなく、2030年のゴールから逆算した目標設定が必要だ」と語る。地球環境戦略研究機関の武内和彦理事長も「意義深い」とした上で、「有識者から助言を得る点は、自己点検が自画自賛に陥らないため重要だ」と話した。

国連が定めている「持続可能な開発目標」(SDGs)の17目標国連が定めている「持続可能な開発目標」(SDGs)の17目標

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