留置場一時閉鎖に危機感=「1人1部屋」限界も―複数収容者がコロナ感染・警察当局

警視庁渋谷署の留置場で4月、複数の収容者が新型コロナウイルスに感染し、留置場が一時閉鎖された。警察庁は同様の事態が各地で起きることに危機感を抱き、防止策として「1人1部屋」を求めるが、収容能力には限界があり容易ではない。

渋谷署では4月8日と12日、計2人の収容者の感染が判明した。収容者と留置に関わる警察職員全員のPCR検査を実施した結果、同18日には新たに5人の収容者の感染が確認された。

警視庁は同署の留置場の一時閉鎖を決断し、収容者全員を別の施設に移送。幹部は「収容者7人が感染したことを重く受け止める」と語った。

留置場や拘置所、刑務所など収容者を拘束する施設は、逃走防止のため扉を開け放すことが困難な上、数人の収容者が同居するなど「3密」が生じやすい。

拘置所や刑務所などを所管する法務省は4月、新規入所者は14日間、単独室に隔離して毎日2回の検温を行うなどのガイドラインを公表した。

一方、警察庁は2月、各地の警察に対し、留置場の収容者を「可能な限り1人1部屋とする」と指示した。ただ、渋谷署では3人の部屋で2人の陽性が確認されるなどしており、警視庁幹部は「施設の収容能力にも限界がある」と吐露する。

警察庁によると、昨年4月時点で留置施設は全国に1128カ所あり、定員は2万1605人。定員に対する収容者の割合は平均で約37%という。余裕があるように見えるが、同庁幹部は「(収容者数は)地域的な偏りがあり、中規模、大規模の警察本部で1人1部屋は簡単ではない」と話す。

日弁連は4月、「可能な限り逮捕を回避し、勾留中の被疑者も釈放するなどして、在宅で捜査すること」を求める会長声明を出した。警察庁幹部は「必要性は精査するが、逮捕すべき事案はある。現状の感染対策を徹底して対処したい」と話している。(了)

16日に業務が開始される警視庁四谷署新庁舎の留置場=7日、東京都新宿区16日に業務が開始される警視庁四谷署新庁舎の留置場=7日、東京都新宿区

[Copyright The Jiji Press, Ltd.]

時事通信ニュース