都知事選、コロナの陰に=小池氏に注目、対抗馬なく―告示まで1カ月

政治・外交

任期満了に伴う東京都知事選の告示(6月18日)まで1カ月となった。再選出馬が確実な小池百合子知事は新型コロナウイルスへの対応で注目を集める一方、有力な対抗馬は現れないまま。自民党は小池氏支援の方向に転じた。野党も統一候補の擁立を目指すが、選定作業は低調だ。

過去3回の知事選はいずれも辞職により行われ、任期満了に伴う選挙は2011年以来9年ぶり。投開票は7月5日で、有権者は1140万人を超える。

「本来なら4年間を検証し都政奪還を目指すのだが…」。ある自民都議は苦しい胸の内を吐露する。16年の知事選で自民が擁立した候補は小池氏に大敗。17年の都議選でも小池氏が率いた都民ファーストの会に敗れ、最大会派の座を明け渡した。

知事選はこの雪辱を果たす機会になるはずだった。しかし、党本部の二階俊博幹事長らは小池氏を「勝てる候補」と判断。独自候補を模索していた都連を押し切り、小池氏支援にかじを切った。

党本部の姿勢に、築地市場跡地(中央区)の整備方針などをめぐり小池氏と対立してきた都議会自民党には不満がくすぶる。都の20年度予算に賛成し、歩み寄ったように見えたが、幹部都議は「予算と選挙は別物」「都知事としてふさわしいとは思っていない」などと反発。来年の都議選をにらみ、対抗馬擁立論もいまだに消えない。

一方、国政で自民に対峙(たいじ)する野党側は、れいわ新選組の山本太郎代表が一時取り沙汰されたものの、本人は「なかなか難しい」と後ろ向きだ。国会議員や元官僚、ジャーナリストらの名前が浮上しても、本格的な擁立の動きにはつながっていない。

立憲民主、国民民主両党系の都議らは「小池氏はコロナ対策に成功したように振る舞うが、実際は場当たり的だ」と批判。候補擁立を急ぐが、告示までの時間はわずかだ。

◇1期目、論戦機運低調

小池氏はこれまで知事選への態度を明らかにしていないが、近く都議会で再選出馬を表明する見通しだ。15日の記者会見で知事選について問われると、「それどころではない。コロナ対策にしっかり取り組むのが最大の仕事だ」とかわした。

小池氏は、都民ファと公明党が支援する方向。コロナ対応の様子が連日報じられ、「公務こそが最大のアピールになる」(都民ファ都議)ことから、選挙運動は最小限にとどめるとみられる。

コロナ対策では休業要請に応じた事業者への協力金支給など、矢継ぎ早に対策を打ち出した小池氏。一方、前回知事選で掲げた「七つのゼロ」の公約のうち待機児童問題など多くは道半ばだ。17年の衆院選では突如、新党を設立し波紋を広げた。ただ、これらを含めた1期目の評価については、コロナの陰に隠れて論戦の機運は高まっていない。

新型コロナウイルス患者を受け入れる東京都立多摩総合医療センターを視察する小池百合子知事(左)=13日、東京都府中市新型コロナウイルス患者を受け入れる東京都立多摩総合医療センターを視察する小池百合子知事(左)=13日、東京都府中市

[Copyright The Jiji Press, Ltd.]

時事通信ニュース 選挙 日本 東京都