プロの食材、家庭で人気=ブランド豚や高級魚―需要減「個人」に活路・新型コロナ

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新型コロナウイルスの感染拡大で飲食店の休業や時短営業が続く中、飲食店向けの需要が激減した産地直送の「プロ向け食材」をインターネットで取り寄せる家庭が増えている。長引く外出自粛で食卓の充実を目指す動きが広がっているとみられ、苦境に立つ漁師や農家の新たな商機として注目されている。

生産者と消費者の売買をつなげるアプリ「ポケットマルシェ」では、登録生産者数が2月の1955人から2472人(5月18日時点)に急増。4月の注文数は2月の10倍で、登録消費者数は14万人を超えた。

アプリでは生産者が調理や保存法を教えたり、消費者から感想や料理の写真を送ったりできる。3月以降、「新型コロナで困っています」とのコーナーを設けて生産者を支援している。

岩手県花巻市でブランド豚肉「白金豚」を生産し、全国約200の飲食店と取引する高橋誠さん(46)の会社は、3月の売り上げが前年比で6割まで落ち込んだ。「1年かけて育ててきたのに、時期が遅れればブランド価値がなくなる」と4月に出品を開始。「おいしかった」「頑張ってください」など励ましの言葉も多く、高橋さんは「ありがたいし、勇気づけられる」と手応えを語る。

天然サザエや生き伊勢エビなどの産地直送サイト「漁師さん直送市場」でも、飲食店からの注文が激減した一方、一般家庭からの4月の注文は前年同月比4倍という人気ぶり。サイトを展開する「バリューデータ」(奈良市)の上垣内洋一郎社長は「自粛中の食生活を楽しみ、充実させようとする消費者も多いのではないか」と話す。

「新しい食文化で明るい社会に」。「豊洲の極(きわみ)」(東京都渋谷区)は4月28日から、東京・豊洲市場で熟練の仲卸が目利きしたタイやクルマエビなどの高級魚介と青果をセットにしてネット販売を開始。想定の10倍の注文が殺到し、「生産者や流通の生活や仕事を守ることにつながる」としている。

魚介類の産地直送サイト「漁師さん直送市場」魚介類の産地直送サイト「漁師さん直送市場」

「漁師さん直送市場」で取り扱う魚を処理する漁師「漁師さん直送市場」で取り扱う魚を処理する漁師

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