「北方領土に主権」明記=徴用工、韓国対応を批判―外交青書

政治・外交

茂木敏充外相は19日の持ち回り閣議で、2020年版外交青書を報告した。青書は、ロシアとの交渉が停滞する北方領土について「わが国が主権を有する島々」と明記した。19年版では「北方四島は日本に帰属する」との記述を削除していた。

四島について「第2次世界大戦の結果、自国領になった」とするロシアの主張に反論するとともに、19年版で四島の帰属を明確にしなかったことへの自民党内の批判に配慮したとみられる。青書は「北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するとの基本方針の下、ロシアとの交渉に精力的に取り組んでいる」と説明した。

韓国に関しては「日本にとって重要な隣国」との記述を3年ぶりに復活させる一方、徴用工問題への対応を「依然として国際法違反の状態を是正していない」と批判。慰安婦問題などの懸案も列挙し、「韓国側による否定的な動きは止まらず、日韓関係は厳しい状況が続いた」と総括した。

対北朝鮮関係では、相次ぐ弾道ミサイルの発射を取り上げ、「日本のみならず、国際社会に対する深刻な挑戦で、受け入れられない」と非難。「拉致問題の解決なくして北朝鮮との国交正常化はあり得ない」と訴えた。

中国については、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、習近平国家主席の国賓来日が延期となったことを紹介。中国公船の領海侵入が昨年1年間で32回に上ったとして、「引き続き日本の領土・領海・領空は断固として守り抜くとの決意の下、毅然(きぜん)と、かつ冷静に対応していく」とけん制した。台湾の世界保健機関(WHO)総会へのオブザーバー参加を「一貫して支持している」とも明記した。

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