オンライン講義に教員疲弊=深夜まで準備、試行錯誤―学生「質が低い」の声も

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新型コロナウイルスの影響で大学がオンライン講義を始め、教員らは対面方式からの転換を迫られている。双方向性を生かして新しい授業の形に手応えを感じる教員がいる一方、撮影などの準備に「1コマで10時間程度かかり疲弊する」と訴える声も上がる。

新潟県立大の石井玲子教授(ピアノ・音楽教育)は、約40人が受ける合唱の授業を4~5人のグループに分け、ビデオ会議アプリを使って指導する。メールで質問も届き、「通常授業よりも個々の興味関心が分かるようになった」と手応えを感じている。

ただ、授業の準備は3人の子供を育てながら自宅でするため、「家族が寝静まった午前3時までかかることもある」と明かす。

複数の大学で非常勤講師を務める名古屋市千種区の男性(35)は、週8コマの講義が全てオンラインに切り替わった。「学生の反応を見て雑談を入れることができず、面白みに欠ける授業になってしまう」といい、撮影した1コマ分の授業を三つの動画に分けるなど飽きさせない工夫も凝らした。

撮影や編集などで準備に7~10時間程度を要す場合もあるが、報酬は1コマ1万円前後。男性は「対面だと2時間で準備は済む。報酬は変わらないのに労働時間ばかりが増えた」と漏らす。

明治大2年の女子学生(20)はオンライン講義で出る課題に追われるようになった。課題にはレポートの他に授業の感想などもあり、「やっていて意味を見いだせない。授業の質は明らかに下がった」と感じている。

千葉県佐倉市の大学4年の男性(21)は「資料をオンラインで配るだけで、1分も講義をしない先生がいる」と訴え、「授業で学べる量は明らかに少なくなったのに例年通りの学費を払うのはおかしい」と訴えた。

オンライン授業の準備をする新潟県立大の石井玲子教授(写真下)。学生は石井教授の伴奏(上の写真中央)に合わせて歌う(同教授提供)(一部、画像処理してあります)オンライン授業の準備をする新潟県立大の石井玲子教授(写真下)。学生は石井教授の伴奏(上の写真中央)に合わせて歌う(同教授提供)(一部、画像処理してあります)

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