宗教界も新型コロナ契機にネット活用=オンライン神事、座禅会

社会

新型コロナウイルス感染拡大を受け、神事や礼拝の縮小・中止を余儀なくされた宗教界で、インターネットを活用する動きが広がっている。「今こそ、心をつなげたい」。カメラ越しに救いの手を伸ばし、「よりどころ」を求める人々に応えようと模索が続く。

福岡県八女市の福島八幡宮では1日、宮司がカメラに向かって神事をする「オンライン祈願」を始めた。安産などを願う人から既に3件の依頼があり、「私たちの気持ちに応えてくれてありがたい」などと好評という。

吉開雄基宮司は「このご時世だからこそ、心をつなげるツールになる」とオンラインの有効性を強調。神社を訪問できない人のため、コロナ収束後も続けるという。

大阪市の天正寺は4月上旬からテレビ会議システムで座禅会を開催している。16日は各地から10人が参加し、佐々木奘堂住職が約1時間指導した。オンラインで結ばれた参加者は思い思いに座禅を組み、静寂の中に一体感が生まれた。佐々木住職は「海外や全国から参加しやすくなった」と新たな試みの効果を語った。

カトリック東京大司教区では、ミサの様子を動画で配信。聖書朗読などの際に字幕を付けるほか、複数のカメラを使って教会内の雰囲気を感じられるように工夫した。高齢者などから「コロナ後も配信してもらえるとありがたい」との声が寄せられたという。

神戸市の神戸ムスリムモスクはユーチューブで、イスラム教の教えに関するメッセージ動画の配信を始めた。

同モスクではオンラインの活動の傍ら、仕事や家を失い、母国にも帰れずに助けを求めて駆け込んでくるイスラム教徒の相談に乗る。「言葉の壁で相談できる場所がない」と訴える人も多いといい、担当者は「大事なのは助け合うこと。自殺や犯罪に走らないように受け入れている」と話した。

カメラに向かって祈とうする宮司=1日、福岡県八女市(福島八幡宮提供)カメラに向かって祈とうする宮司=1日、福岡県八女市(福島八幡宮提供)

オンライン座禅会の様子。手本となる住職(中央)や参加者の座禅を見ることができる=16日(一部画像処理しています)オンライン座禅会の様子。手本となる住職(中央)や参加者の座禅を見ることができる=16日(一部画像処理しています)

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