上場企業、株主総会への来場ご遠慮を=コロナ対策で呼び掛け―ウェブ方式に戸惑いも

経済・ビジネス

上場企業が株主に対し、定時株主総会への来場を控えるよう異例の呼び掛けを行っている。新型コロナウイルス感染防止が目的だ。ただ、総会は株式会社の最高意思決定機関であり、取締役選任の権限を持つ株主との対話は企業トップにとって最も重要な仕事の一つ。ウェブ方式の総会が注目されるが、コロナ禍での経営方針に十分な理解を得られるのか、戸惑いも広がる。

東京証券取引所によると、株主総会を6月に開く3月期決算の企業は約2300社。コロナの影響はあっても例年通りの実施を目指す企業が多く、ピークの26日には約750社の総会が集中する。また、取締役の選任などを先に済ませ、集計が遅れている決算は後日承認する「2段階方式」を採用する企業もある。

緊急事態宣言は解除されたが、「3密」回避は最優先課題だ。株主がいなくても開催可能との経済産業省の見解を踏まえ、各社は招集通知で株主に欠席を促すとともに、事前の議決権行使を強く求めている。

九州フィナンシャルグループは事前に議決権を行使した株主1人当たり100円をコロナ対策関連団体に寄付すると表明。東急不動産ホールディングスは、議決権を行使した株主に商品券1000円分を送るとしている。

昨年2000人弱が出席したソフトバンクグループは来場を事前に申し込んだ50人に限定する。孫正義会長兼社長ら経営陣はウェブ会議システムで参加し、インターネットで生中継する。オンライン上での議決権行使も受け付けるという。

ネット中継を行うバーチャル総会には、会社側の提案に議決権を行使できる「出席型」と、視聴や質問などにとどまる「参加型」がある。ITを駆使した出席型は総会の新しい形態と言える一方、通信障害などで議決権を行使できない事態も想定され、企業からは「実施には慎重にならざるを得ない」(担当者)との声が漏れる。

三菱UFJ信託銀行によれば、6月は四十数社が参加型の実施を予定。同行の中川雅博法人コンサルティング部次長は「バーチャル総会は遠隔地の株主も参加でき、今後普及する可能性がある」と指摘している。

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