種苗法改正、先送り=SNSの懸念も考慮―ブランド農産品保護

政治・外交

政府・与党は、ブランド果樹など農作物新品種の海外流出防止を目的とした種苗法改正案の今国会での成立を事実上断念した。新型コロナウイルス対策で十分な国会審議の時間が取れなかった上、SNSなどで「農家の負担が増える」という懸念が強まったため。ただ新品種の保護には不可欠だとして、秋に開催が予想される臨時国会での成立を目指す。

現行法では、新品種の海外への持ち出しを防ぐことができず、中国や韓国で日本の高級ブドウ「シャインマスカット」が無断栽培されるといった事態を招いている。改正案は、新品種の開発者が栽培地を国内または特定の都道府県に限定し、違反行為に対しては裁判所に差し止め請求できるようにする。

また新品種については、農家が収穫物から種子を採取して次期作に使う「自家増殖」も制限し、許諾制とする。誰が自家増殖をしているか把握し、第三者に渡るリスクを減らす狙いがある。

ただ自家増殖の制限をめぐり、野党が許諾料の徴収や大幅な引き上げへの懸念を主張。著名人がツイッターで「農家が窮地に立たされる」などと発信したことも、慎重論の広がりに拍車を掛けた。

[Copyright The Jiji Press, Ltd.]

時事通信ニュース 法案 日本