財政悪化、政府の危機感無し=コロナ収束後の健全化にハードル高く

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新型コロナウイルス対策による巨額の支出を受け、国の財政悪化が際立ってきた。「100年に1度」の危機への対応で、積極的な財政出動に異論は少ないが、政府の財政への危機感欠如も指摘される。日本国債の格付け見通しを下げる動きも顕在化しており、新型コロナ収束後の財政健全化へのハードルは一段と高くなっている。

2020年度の一般会計歳出は、1次補正(25.7兆円)と2次補正(31.9兆円)が加わったことで160.3兆円まで積み上がった。当初予算(102.7兆円)から跳ね上がったことで、ここ数年減少傾向だった国の基礎的財政収支(PB)の赤字額は当初段階の9.2兆円から66.1兆円に急拡大した。

政府は、政策経費を税収で賄えているか示すPBで、国・地方合わせて25年度に黒字化する財政健全化目標を掲げるが、「現実的に考えて、ほぼ無理」(財務省幹部)との意見が大半だ。

麻生太郎財務相は「極めて厳しい財政事情になっていることは確かだ」としつつ、「(財政規律を重んじる)ドイツですら財政出動に踏み切った」と指摘。世界の主要国と足並みをそろえたと強調する。

ただ、19年の国内総生産(GDP)に対する債務残高の割合は237.4%。ドイツ(59.8%)や米国(109.0%)など先進国の中で最悪の水準だ。既にコロナ禍の前から財政状況が悪い日本にとって、財政出動の余地は他国と異なる。日本の国債残高は20年度末に964兆円になる見込みで、1000兆円の大台が目前に迫る。

米格付け大手のS&Pグローバル・レーティングは9日、日本国債の格付け見通しを下方修正した。現在は日銀の買い入れで国債価格の急落(長期金利の急騰)を免れているが、将来的には国債の信認低下を危惧する声が大きい。東短リサーチの加藤出社長は「コロナ後、増税や歳出カットが不可避だとの意識が海外では暗黙の了解になっているが、日本では薄い」と懸念を示した。

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