コロナ国会、異例尽くし=予算4回・感染対策・強行回避―延長せず17日閉幕へ

政治・外交

第201通常国会は17日、会期末を迎える。世界を襲った新型コロナウイルス感染拡大やそれに伴う経済危機を受け、政府も与野党も異例の対応を次々と迫られた。経済対策を盛り込んだ二つの大規模補正を含めて予算は計4回成立。議員活動を縛る感染防止策にも踏み込んだ。野党は新たな感染拡大に不断の備えが必要だとして会期延長を求めているが、政府・与党は応じない方針だ。

◇経済対策、矢継ぎ早

今国会は1月20日に召集され、防災対策などを盛り込んだ2019年度補正予算、一般会計総額が過去最大の102兆円に上る20年度当初予算が3月までに成立した。しかし、審議段階で深刻化したコロナ対策が入っていなかったことから、政府は20年度第1次、第2次と矢継ぎ早の補正編成を余儀なくされた。

一度の国会で四つの予算が成立したのは1998年の通常国会以来。12日に成立した2次補正は、補正予算として過去最大の32兆円。予備費も10兆円という過去に例のない規模を積み増した。

◇マスク姿が定着

国会そのものの感染対策も急務となった。一般の国会見学を中止し、出入り口に体温を感知するサーモグラフィーが設置された。議員らのマスク姿も定着。感染リスクを高める「3密」を回避するため、衆院本会議では採決時を除いて出席議員の数を半減させたり、委員会審議は広い部屋で行ったりする苦肉の策が講じられた。

議員秘書や政府職員に感染者が確認されたものの、議員本人の感染例は報告されず、麻生太郎副総理兼財務相は「本当に不思議だ」と漏らした。一方で、インターネットを使った「遠隔採決」など抜本的な国会改革は進まず、各国と比べて日本の議会のデジタル対応の遅れが浮き彫りとなった。

◇対立回避も火種残す

コロナ禍は与野党の対決にも影響を与えた。野党は当初、カジノを含む統合型リゾート(IR)事業に絡み秋元司衆院議員(自民離党)が逮捕・起訴された汚職事件や、安倍晋三首相の公私混同などが問われた「桜を見る会」の問題を中心に、安倍政権を徹底追及する方針だった。政権中枢に近い自民党の河井克行前法相と妻の案里参院議員をめぐる公職選挙法違反事件も格好の追及材料だったが、コロナ対応で協調せざるを得ず、勢いをそがれた。与党も歩み寄りを見せ、しばしば「強引」と批判を招いてきた国会運営は影を潜めた。

感染拡大防止に向けて「緊急事態宣言」発令を可能にした特別措置法の改正では、野党がスピード審議に協力。政権は野党の要求に配慮する形で、発令前の国会報告に応じた。

首相は4月7日、初めての宣言発令に際して衆参両院の議院運営委員会に出席、事前報告を行った。現職首相が議運委で質疑に応じるのは1975年10月の三木武夫氏以来、45年ぶりだった。

与党はコロナ対策を優先するとして対決法案をことごとく先送りし、採決強行は回避された。検察官の定年を延長する検察庁法改正案は著名人を含む国民の批判が高まり、今国会成立を断念。憲法改正国民投票の利便性を高める国民投票法改正案の採決も見送った。ただ、一連の判断は国会対応でほころびが目立つ政府・与党の危機感の裏返しと言え、波乱の火種は持ち越されそうだ。

マスク着用で衆院本会議に臨む議員ら=4月2日、国会内マスク着用で衆院本会議に臨む議員ら=4月2日、国会内

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