沖縄戦資料館、入館者減少=リニューアルでてこ入れ

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沖縄戦の遺品や写真などを展示し、歴史を後世に伝える資料館の入館者が年々減少している。沖縄の見どころが多様化しているのが要因だが、資料館側は戦争への関心が薄れていることも一因と分析。リニューアルで再び関心を高め、減少に歯止めをかけようとしている。

学徒隊として看護動員された多くの女学生が犠牲となった歴史を伝える「ひめゆり平和祈念資料館」(糸満市)では、ピークの1999年度に入館者が100万人を超えたが、2019年度は50万人を割り込むまでに落ち込んだ。

資料館は昨年、沖縄戦のガイド養成講座に参加した中高生に館の印象を聞いたが、返ってきた感想は「暗い」「字が多く分かりづらい」といった否定的なものがあった。「ショックだった」と話す普天間朝佳館長(60)は「今の展示のままでは戦争から遠くなった世代に伝わらない」と危機感を感じ、より分かりやすい展示に改めることにした。

来年4月予定のリニューアルでは、イラストを多用。沖縄戦以前の女学生の様子を伝えるコーナーでは、くしや筆箱、万年筆など当時の日常が分かる持ち物や服装を紹介したり、生徒が寄宿舎でリラックスする写真を使ったりすることで「若い人に『自分と同じだ』と思ってもらう」(普天間館長)展示を目指している。

旧日本海軍が掘った壕(ごう)が現存する「旧海軍司令部壕」(豊見城市)でも19年度の入場者は約12万7700人と、全盛期だった1980年度の約4分の1まで減少した。県から運営を委託されている一般財団法人「沖縄観光コンベンションビューロー」は、倉庫に保存していた軍服などを新たに公開したほか、今後は英語や中国語による説明を加えて外国人観光客にも対応する方針だ。

「ひめゆり平和祈念資料館」がリニューアルに向け準備している沖縄戦が始まる前の女学生の服装や持ち物などを再現したイラスト展示案=12日、沖縄県糸満市「ひめゆり平和祈念資料館」がリニューアルに向け準備している沖縄戦が始まる前の女学生の服装や持ち物などを再現したイラスト展示案=12日、沖縄県糸満市

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