在外国民審査制限、二審も違憲=次回投票不能なら「違法」―東京高裁

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在外邦人が最高裁裁判官の国民審査に投票できないのは憲法違反だとして、米国在住の映画監督想田和弘さん(50)ら5人が国に損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決が25日、東京高裁であった。阿部潤裁判長は一審東京地裁に続き、投票の制限を違憲と判断した。また、次回の総選挙で「審査権を行使できないことは違法」と述べた。

国側は投票用紙の作成、送付に時間がかかり間に合わないと主張したが、阿部裁判長は、国民審査法の改正で告示前でも用紙を作れるようになり、技術上の問題は事実上解消されたと指摘。「選挙と同様、在外公館での投票などの方法で実施は十分可能」と述べた。

その上で、2017年に行われた国民審査の時点で在外投票ができなかったことを「やむを得ない事由があったとは言い難い」とし、国民審査権を規定した憲法に違反すると判断。次回選挙で投票できないことは違法と認めた。一方、「17年時点で、国会において在外審査を認めないことの違憲性が明白になったとは言えない」として、立法不作為による国家賠償請求は退けた。

東京地裁は昨年5月、在外邦人が17年に投票できなかったことについて「憲法に違反する」と指摘。国に対し、原告1人当たり5000円を賠償するよう命じていた。

外務省の統計によると、17年10月時点で海外在住の邦人は約135万人おり、このうち18歳以上は約107万9000人に上る。

判決後、東京都内で記者会見した想田さんは「違憲性をはっきり認めていただきうれしく思っている。速やかに(制度を)変えてほしい」と訴えた。

総務省は「判決内容を精査し、適切に対応したい」とのコメントを出した。

在外邦人による最高裁裁判官の国民審査をめぐる訴訟の判決後、記者会見する原告の想田和弘さん(中央)ら=25日午後、東京都千代田区在外邦人による最高裁裁判官の国民審査をめぐる訴訟の判決後、記者会見する原告の想田和弘さん(中央)ら=25日午後、東京都千代田区

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