脱はんこでテレワーク後押し=電子印鑑、契約サービス続々

経済・ビジネス

インターネットを通じて押印したり契約を結んだりするサービスが注目を集めている。新型コロナウイルスの感染拡大で在宅勤務(テレワーク)が広がるが、書類の確認や印鑑を押すためだけに出社を余儀なくされるケースは多い。押印を極力減らす「脱はんこ」に向け、電子印鑑や電子契約サービスを拡充させ、感染防止につなげる狙いだ。

アドビシステムズ(東京、現アドビ)が3月に発表した調査によると、テレワーク中に書類の確認や押印などでやむなく出社した経験がある人は6割以上に上った。政府もテレワーク導入のネックの一つとなっている「はんこ文化」を見直そうと、押印に関する規制改革を加速させている。

文具メーカーのシヤチハタ(名古屋市)はスマートフォンやパソコンから稟議(りんぎ)書などクラウド上の書類にアクセスし押印できる電子印鑑サービスを提供。ここ数カ月の新規申込者数は大幅に増加しており、「緊急事態宣言発令で在宅勤務が進み、利用者が増えた」(広報室)と分析する。

取引先との契約を安全にネット上で結べる取り組みも進む。リコーは7月から、電子契約サービス大手の弁護士ドットコム(東京)と連携し、押印から契約書の保管まで全てをクラウド上でできるサービスを提供する。

セイコーソリューションズ(千葉市)も電子契約を支援するサービスを提供。オンラインで契約書が作られた日時や作成者などを確認できる。7月からは利用料を大幅に引き下げた簡易サービスも展開し、中小企業などにも活用を広げたい考えだ。

ITコンサルティング会社のアイ・ティ・アール(東京)の三浦竜樹シニア・アナリストは「国内の電子契約サービス市場は、コロナ前の調査予想より速いスピードで拡大している」と指摘。導入企業も増加しており、今後も成長が期待できそうだ。

シヤチハタが開発した電子印鑑サービスを使い、指でタッチし押印する人(同社提供)シヤチハタが開発した電子印鑑サービスを使い、指でタッチし押印する人(同社提供)

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