2人死亡、16人心肺停止=球磨川が氾濫、1人重体7人不明―熊本、鹿児島の大雨

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梅雨前線の影響で熊本、鹿児島両県は4日、記録的な大雨となり、気象庁が午前中に一時、特別警報を発表した。熊本県の球磨川が氾濫し、多数の住宅や施設が浸水。土砂崩れも発生し、同県内で2人が死亡。16人が心肺停止、1人が重体、7人が行方不明となり、警察や消防、自衛隊が救助を進めた。

熊本県によると、球磨村渡の球磨川支流に近い特別養護老人ホーム「千寿園」が浸水し、14人が心肺停止となった。同園では入所者ら約50人の生存を自衛隊が確認し、病院などに運んでいる。一方、津奈木町福浜で土砂崩れが起き、80代男性が救助されたが死亡が確認された。さらに2人が行方不明となっている。

芦北町によると、同町佐敷で水没した家屋から見つかった80代女性1人が死亡。地元消防によると、同町田川でも2人が心肺停止となっている。県によると、ほかに同町で1人が重体、同町と人吉市で計5人が行方不明となっている。このほか八代市、人吉市、相良村などで浸水により多数が孤立し、自衛隊や消防のヘリが救助活動を行った。

国土交通省によると、熊本県内で15件、鹿児島県で1件の土砂崩れが発生。球磨川では11カ所で氾濫が起き、人吉市内の1カ所で堤防が決壊したとみられる。九州地方整備局は八代市坂本町の深水橋と、人吉市矢黒町と相良町をつなぐ西瀬橋が流失したのを職員が確認したと明らかにした。

熊本、鹿児島両県には4日未明から朝にかけて梅雨前線が停滞し、発達した雨雲が連なる「線状降水帯」が形成されたとみられる。熊本県では1時間雨量が110~120ミリ以上との記録的短時間大雨情報が相次いで発表された。同県水俣市で午前9時20分までの12時間雨量が415.0ミリに上るなど、観測史上最多雨量を更新する地点が続出。熊本県では八代市や人吉市、水俣市など県南部を中心に計約9万3000世帯20万5000人に避難指示が出された。

気象庁は4日午前4時50分に熊本県南部の八代市や天草市などと、鹿児島県北西部の阿久根市や伊佐市などに大雨特別警報を発表。同庁の中本能久予報課長が記者会見し、直ちに安全を確保するよう呼び掛けた。雨雲が遠ざかった同11時50分に警報に切り替えたが、洪水や浸水、土砂災害に厳重な警戒が必要な状況が続いた。

記録的な大雨で冠水した熊本県人吉市街=4日午後(時事通信ヘリより)記録的な大雨で冠水した熊本県人吉市街=4日午後(時事通信ヘリより)

記録的な大雨で水に漬かった特別養護老人ホーム「千寿園」(上)=4日午後、熊本県球磨村(時事通信ヘリより)記録的な大雨で水に漬かった特別養護老人ホーム「千寿園」(上)=4日午後、熊本県球磨村(時事通信ヘリより)

民家が流された土砂崩れの現場=4日午後、熊本県芦北町(時事通信ヘリより)民家が流された土砂崩れの現場=4日午後、熊本県芦北町(時事通信ヘリより)

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