球磨焼酎、蔵元に打撃=「コロナに追い打ち」―支援の動きも・熊本豪雨

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熊本県を襲った豪雨では、氾濫が起きた球磨川周辺で生産される球磨焼酎の蔵元も大きな打撃を受けた。「事業継続が危ぶまれる」「コロナによる売り上げ減に追い打ちだ」。関係者から悲鳴が上がる中、酒販店などでは支援の動きも始まっている。

球磨川の清らかな水で育った米を原料に作られる球磨焼酎。球磨焼酎酒造組合によると、加盟する蔵元のうち、浸水でタンクが損壊した渕田酒造場など、人吉市や球磨村の少なくとも三つの蔵が商品や製造設備に壊滅的な打撃を受けた。他にも設備の損壊など被害は相次いだが、道路や通信事情が悪く、全容がつかめないという。

「家族経営の小さな所も多い。蔵の存続が危ぶまれるほどの損害だ」。組合の田中幸輔専務理事(66)は危機感をにじませる。新型コロナウイルスによる外食産業不振の影響で出荷量が既に半減していた所もあったといい、「まさに追い打ち。心が痛い」と悔しそうに語った。

繊月酒造(人吉市)も本社の事務所と倉庫が浸水。熊本市内の営業所は、被災した本社に代わり、得意先などに状況を知らせるFAX送信に追われた。女性職員は「今月から蔵元見学を再開し、張り切っていたところだったのに。励ましに応えられるよう、何とか頑張りたい」と話した。

熊本市の川上酒店は6日から店頭に募金箱を設置。SNSでも支援を呼び掛け、売り上げの一部は義援金として蔵元に送る予定だ。店主の川上靖さん(57)は「蔵元の一人一人の顔が浮かぶ。自分が熊本地震で被災した際に片付けを手伝ってくれた人もおり、少しでも恩返しがしたい」。既に全国から反響があったといい、「支援の動きを知れば励まされる。途切れないよう蔵元の情報発信にも努めたい」と意気込んだ。

浸水でタンクなどに被害を受けた球磨焼酎蔵元の渕田酒造場=7日、熊本県人吉市浸水でタンクなどに被害を受けた球磨焼酎蔵元の渕田酒造場=7日、熊本県人吉市

熊本市の川上酒店が店頭に設置した球磨焼酎の蔵元支援を呼び掛ける募金箱(同店提供)熊本市の川上酒店が店頭に設置した球磨焼酎の蔵元支援を呼び掛ける募金箱(同店提供)

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