認知症でも預金引き出し=高齢者の生活配慮求め―金融審部会が報告書

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金融庁は29日、金融審議会(首相の諮問機関)の市場作業部会で、認知能力が低下した高齢者の預金引き出しなどについて柔軟な対応を金融界に求める報告書案を大筋で承認した。急速に高齢化が進む中、顧客の財産を適切に管理しながら、日常生活に支障を来さないサービスの提供を金融機関に促すのが狙い。

報告書案では、銀行などの業界団体が今後、具体的な対応指針を策定するよう要請している。

社会の高齢化に伴い、銀行窓口に行けなくなったり認知能力が低下したりする人が増加。家族らが代理で預金を引き出そうとしても、本人の意思確認ができず認められないケースも多い。

報告書案は、医療や介護など明らかに本人のために支出する際は、本人や代理でも手続きを認めるなど「柔軟な対応が望ましい」と明記した。ただし、顧客の資産が不当に流用される事態を防ぐため、病院や介護施設に直接費用を振り込む場合といった条件を設けることが必要としている。

金融機関が自治体や福祉関係者と連携し、認知能力の低下した顧客の資産管理を支援するよう要望。認知症が進行する前に、顧客や家族の意向を確認しておくことも重要とした。

また、金融機関が顧客の立場に立って営業するため、投資信託の販売手数料や値下がりリスクの比較を容易にできる共通書式の利用を促した。

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