18年秋に景気後退入り=回復71カ月、戦後最長ならず―内閣府認定

経済・ビジネス

内閣府は30日、2012年12月から始まった景気の拡大局面が18年10月をピークに終了し、後退に転じたと認定した。景気の拡大期間は71カ月にとどまり、戦後最長だった「いざなみ景気」(02年2月~08年2月)の73カ月に届かなかった。企業部門は好調だったが賃金は伸び悩み、家計にとって実感の乏しい好景気だった。

景気の拡大・後退は、有識者で構成する内閣府の「景気動向指数研究会」(座長・吉川洋立正大学長)が判定している。同日の会合後、吉川氏は記者会見し、今回の拡大局面について「人手不足経済と言われたが、賃金が上がらずに消費が伸びなかった」と分析した。

第2次安倍政権が発足した12年12月を起点とする景気拡大局面は、日銀の大規模金融緩和が演出した「円安・株高」を追い風に企業部門が主導。戦後2番目の息の長い成長となった。ただ、この間の経済成長率は年平均1.1%にとどまり、「いざなぎ景気」(1965年11月~70年7月)の11.5%や「バブル景気」(86年12月~91年2月)の5.3%と比べ、はるかに低かった。景気回復の一方、賃上げの勢いは鈍く個人消費が盛り上がりを欠いたためだ。

景気拡大の頂点である「山」と判定された18年10月は、米中貿易摩擦の激化で生産活動や輸出に停滞感が出てきた時期に当たる。ただ、茂木敏充経済財政担当相(当時)は19年1月に「今回の回復期間は戦後最長になったとみられる」との認識を示していた。

19年10月の消費税増税も景気の重しとなっている。さらに新型コロナウイルス感染拡大が追い打ちとなり、実質GDP(国内総生産)成長率は20年1~3月期まで2期連続のマイナスで、4~6月期は記録的な落ち込みとなるのは確実だ。

今回の景気の山は暫定的に判定したもの。今後改めて研究会を開き、最終的に確定する。

銀座の街を歩く人たち。新型コロナウイルス感染拡大が社会・経済を直撃している=30日、東京都中央区銀座の街を歩く人たち。新型コロナウイルス感染拡大が社会・経済を直撃している=30日、東京都中央区

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