ギリシャ危機の波及警戒=「未然防止が喫緊の課題」―10年上半期日銀議事録

政治・外交

日銀は31日、2010年1~6月に開いた金融政策決定会合の議事録を公表した。ギリシャ財政危機に端を発した世界的な株安で、金融市場は大きく動揺。日銀は5月10日に臨時会合を開き、米欧5中央銀行によるドル資金を融通するスワップ協定への参加を決めた。議事録では、「国内市場へ波及することを何としても未然に防ぐことが喫緊の課題」(野田忠男審議委員=肩書は当時、以下同=)と警戒する様子がうかがえる。

ギリシャは09年10月の政権交代で、巨額の財政赤字隠しが発覚。財政懸念はポルトガルやスペインなど周辺国にも飛び火し、「ソブリンリスク(国家の信認問題)に対する警戒感」(白川方明総裁)が高まっていた。

リスク回避の動きが加速する中で開かれた5月10日の会合。欧州中央銀行(ECB)などの支援策で市場の混乱はいったん収束を見せたが、須田美矢子審議委員は「問題が悪化し、広がりを見せている。今後も何度も(市場が)振れる状況は続くのではないか」と指摘。白川総裁の代わりに議長を務めた山口広秀副総裁も、「今のところ円相場への波及は限定的だが、相当注意深く見ていく必要がある」と強調した。

欧州債務問題はその後、外国為替市場を通じて国内に波及。9月には、菅直人首相の党代表再選を機に6年半ぶりに「伝家の宝刀」、円売りドル買いの為替介入を断行することになる。

臨時の金融政策決定会合後、記者会見する日銀の山口広秀副総裁=2010年5月10日、東京都中央区の日銀本店臨時の金融政策決定会合後、記者会見する日銀の山口広秀副総裁=2010年5月10日、東京都中央区の日銀本店

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