「秋解散」観測下火に=コロナ感染再拡大で、安倍首相も慎重―政府・与党

政治・外交

今秋に衆院解散・総選挙があるとの観測が政権内で下火になりつつある。新型コロナウイルスの新規感染者が東京都で初めて400人を超えるなど全国で急増していることが背景にあり、政府・与党幹部も相次いで否定的な見解を表明。感染収束を求める声を前に、安倍晋三首相も早期解散には慎重とされる。

首相の自民党総裁任期切れが来年9月に、衆院議員の任期満了が同10月にそれぞれ迫り、解散の選択肢は狭まりつつある。最も早いケースとして今年の「9月解散・10月総選挙」がくすぶってはいるが、先行きの見通せないコロナ禍にあって、機運は高まっていない。

菅義偉官房長官は7月30日のCS放送収録で、秋解散について「コロナの状況の中では、なかなか難しい。『コロナに専念してくれ』『これ以上の拡大は避けてほしい』、それが国民の声だ」と断言。政府高官は31日、菅氏の発言に「当たり前だ」と説明し、首相側近も「首相に解散する気は全然ない」と語る。

早期解散に慎重な意見は与党内にもともとあったが、これに感染再拡大が拍車を掛けた。公明党の斉藤鉄夫幹事長は31日の記者会見で「今、国民の最大の関心事は第2波が進行しているのではないかということだ。解散は国民の理解を全く得られない」と重ねて指摘。自民党執行部の一人も「選挙をする状況ではない」と述べた。

ただ、タイミングを逸すると、さらなる感染の深刻化や経済の悪化に直面し、政権が立ち往生する事態も否定できない。首相の盟友の麻生太郎副総理兼財務相は、「追い込まれ解散」への懸念から、秋解散を進言しているとされる。

仮に首相が解散する場合、何を「大義」に掲げるかも焦点だ。コロナ禍で景気の急落が見込まれる中、ある自民党幹部は「消費税減税しか大義はない。首相の決断次第だ」と指摘した。

首相官邸に入る安倍晋三首相=31日午前、東京・永田町首相官邸に入る安倍晋三首相=31日午前、東京・永田町

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