「核なき世界、一日も早く」=75年の節目、平和へ祈り―広島原爆忌

社会

原爆投下から75年の節目を迎えた6日、広島市中区の平和記念公園には未明から被爆者や遺族らが次々と訪れ、原爆死没者慰霊碑に祈りをささげた。被爆者の高齢化が進む中、核保有国同士の対立は深まり、核兵器の禁止を求める非保有国との溝も埋まっていない。「一日も早く、核のない世界を」。多くの人が平和の実現を訴えた。

広島市南区の新谷芳之さん(89)は娘や孫と共に慰霊碑に手を合わせ、「核兵器は早くなくなってほしい」と声を震わせた。市中心部にいて行方が分からなくなった兄を1週間ほど捜し回ったが、遺骨は見つからなかった。

同市安佐北区の横山ヨシエさん(91)は5月に亡くなった夫の遺影を持って参拝。ろうそくと線香を手向け、原爆の犠牲になった夫の両親らの冥福を祈った。「皆さん無残に亡くなって、苦しかったでしょう。もう二度とこういうことはあってほしくない」と静かに語った。

同市東区の中野栄子さん(83)は8歳の時、爆心地から2キロの地点で被爆。「閃光(せんこう)がバーンと来て、真っ黒い雲が見えた」と振り返った。娘の矢野由美子さん(57)は「母は入院していたので、久しぶりに訪れた。来年は分からないから、今年来たかった」と話した。

同市西区の中原里枝さん(76)は1歳の時に被爆し、両親や祖父母は原爆症で亡くなった。平和記念資料館などを案内するボランティアを務めた経験があり、「忘れたいことだが、事実を伝えていかなくては」と力を込めた。

同市中区の自営業蝉川公司さん(49)は長女の陽菜さん(9)と慰霊碑に手を合わせ、原爆の犠牲になった親戚の冥福と平和を祈った。陽菜さんは「原爆を落とした人は、たくさんの人が亡くなったのに何もしないのはおかしい」と憤り、「核兵器をなくしてほしい」と訴えた。

75回目の広島原爆の日を迎え、祈りをささげる人たち=6日午前、広島市中区の平和記念公園75回目の広島原爆の日を迎え、祈りをささげる人たち=6日午前、広島市中区の平和記念公園

平和記念式典で、献花する参列者=6日午前、広島市中区平和記念式典で、献花する参列者=6日午前、広島市中区

75回目の広島原爆の日を迎え、死没者慰霊碑の前に間隔を空けて並ぶ人たち=6日午前、広島市中区の平和記念公園75回目の広島原爆の日を迎え、死没者慰霊碑の前に間隔を空けて並ぶ人たち=6日午前、広島市中区の平和記念公園

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