「黒い雨」訴訟、国控訴方針=広島県・市と協議詰め

社会

原爆投下直後に降った「黒い雨」を国が定める援護対象区域外で浴びた原告全員に被爆者健康手帳の交付を命じた広島地裁判決について、政府は11日までに広島高裁に控訴する方針を固め、広島県と広島市に伝えた。

訴訟の直接の被告は、被爆者健康手帳の交付などの事務を国から受託している県と市だが、国は補助参加しており、控訴することもできる。県、市は国に控訴断念を申し入れており、三者が詰めの協議を進めている。

訴訟では、援護対象区域外に住んでいた広島県内の男女84人が、黒い雨を浴びて健康被害を受けたとして県と市に手帳交付などを請求した。

広島地裁は7月29日の判決で、援護対象者の認定について、特定の降雨域を単純に当てはめるべきではなく、体験者の証言を個々に吟味する必要があると指摘。「(黒い雨の)降雨域はより広範囲で、原告らはいずれも暴露したと認められる。原爆との関連が想定される疾病にも罹患(りかん)しており、被爆者援護法の対象に該当する」として、原告全員への被爆手帳交付を命じていた。

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