墜落35年、分散し慰霊登山=コロナ影響で遺族ら―日航機事故

社会

520人が犠牲となった日航機墜落事故は12日、発生から35年を迎えた。遺族らは例年、墜落現場となった群馬県上野村の「御巣鷹の尾根」に登り、犠牲者の名が刻まれた墓標を訪れて慰霊を行ってきた。ただ、新型コロナウイルスの感染防止のため、今年の登山は集中しないよう5日間に分散して実施。同日中に登山した遺族は、例年の半数程度で過去最少の141人にとどまった。

さいたま市の小林由美子さん(61)は、事故で亡くなった弟の加藤博幸さん=当時(21)=に会わせようと、孫の小林直人ちゃん(2)を初めて連れて来た。コロナ禍の中、「来ていいのかな」と直前まで悩んだ。マスクを着けての苦しい登山となったが、直人ちゃんも「頑張った」と胸を張った。

事故で父親の村上良平さん=当時(43)=を亡くした札幌市の折田みきさん(48)も、「あきらめようかと思ったが、来られてよかった」とほっとした様子で話した。毎年家族10人ほどで来ていたが、今年は夫の祥之さん(47)と2人だけ。「来年はみんなで来られたら」とコロナ収束を期待した。

新型コロナの影響で、尾根の麓にある「慰霊の園」で12日夕に行われた追悼慰霊式も今年は規模を縮小。遺族らは参加せず、赤羽一嘉国土交通相や赤坂祐二日本航空社長ら約20人が出席した。参加できない遺族らのため、墜落時間の午後6時56分にろうそくをともして黙とうをささげる様子はネット中継された。

日航の赤坂社長は式典後、社員の安全教育について「一番大事で効果的なのは御巣鷹に登ること。これからも安全の聖地として続いていくよう、できる限りのことをしたい」と強調した。

日航機墜落事故の現場に建つ「昇魂之碑」の前で手を合わせる遺族ら=12日午前、群馬県上野村の御巣鷹の尾根日航機墜落事故の現場に建つ「昇魂之碑」の前で手を合わせる遺族ら=12日午前、群馬県上野村の御巣鷹の尾根

日航機墜落事故の現場に建つ「昇魂之碑」の前で、シャボン玉を飛ばして慰霊する遺族ら=12日午前、群馬県上野村の御巣鷹の尾根日航機墜落事故の現場に建つ「昇魂之碑」の前で、シャボン玉を飛ばして慰霊する遺族ら=12日午前、群馬県上野村の御巣鷹の尾根

日航機墜落事故の犠牲者を追悼するろうそくがともされた「慰霊の園」=12日午後7時ごろ、群馬県上野村日航機墜落事故の犠牲者を追悼するろうそくがともされた「慰霊の園」=12日午後7時ごろ、群馬県上野村

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