河井前法相夫妻「選挙依頼でない」=無罪主張、「違法捜査」も―大型買収初公判

社会

昨夏参院選をめぐり、地元首長や県議らに票の取りまとめを依頼、現金を提供したなどとして、公選法違反(買収、事前運動)罪に問われた衆院議員で前法相、河井克行被告(57)=自民離党=と、妻で参院議員の案里被告(46)=同=の初公判が25日、東京地裁(高橋康明裁判長)であり、2人はいずれも「選挙運動を依頼して現金を渡したことはない」などと無罪を訴えた。

提供された現金の趣旨が最大の争点。受領したとされる県議ら100人全員が刑事責任を問われておらず、克行被告側は「検察官は立件や刑事処分を行わないと(暗に)伝え、利益誘導で自白を得た」と主張。「『裏取引』で、極めて違法性の高い捜査手法だ」と裁判の打ち切りも求めた。

罪状認否で克行被告は現金提供を「おおむねその通り」と認める一方、「(案里被告への)投票または投票の取りまとめなどの選挙運動を依頼する趣旨で供与したものではない」と否認した。案里被告も一部提供を認めつつ、「(参院選前の統一地方選の)陣中見舞い」などと説明。「夫と共謀したことはないし、選挙運動を依頼して現金を渡したことはない」と否認した。

克行被告が案里被告の選挙を取り仕切った「総括主宰者」に該当するか否かも争点で、克行被告側は否定したが、案里被告は「夫が取り仕切っていた」と述べ、食い違いを見せた。

検察側は冒頭陳述で、自民党県連が同じ自民の対立候補支持を決め、「情勢が厳しいと予想した克行被告が地元県議や首長らのほか、疎遠になっていた者にもなりふり構わず現金を供与することにした」と主張。克行被告は現金提供先をまとめたリストを複数のパソコンに保存していたが、選挙違反疑惑の報道後、業者に消去を依頼したとも述べた。

起訴状によると、克行被告は昨年3~8月、地元広島の県議や案里被告の後援会幹部ら計100人に票の取りまとめなどを依頼し、総額約2900万円を提供したとされる。案里被告は、うち5人への計170万円について、克行被告と共謀したとされる。

河井克行前法相(写真右)と河井案里参院議員(同左)河井克行前法相(写真右)と河井案里参院議員(同左)

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