自由貿易で経済成長=農産品、米の圧力懸念―ポスト安倍

政治・外交

世界で保護主義的な動きが強まる中、長期的な経済成長の土台となる自由貿易の拡大が新首相の重要テーマの一つだ。ただ、11月の大統領選後、米国から農産品の市場開放などを要求される懸念がある。良好な日米関係を維持しつつ、米国の圧力をかわせるのか。新首相が難しい手綱さばきを求められる局面もありそうだ。

安倍政権は環太平洋連携協定(TPP)、欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)をまとめた。昨年10月には、TPPを離脱して対日貿易赤字の削減を求める米国と貿易協定を締結。1年程度の短期間でスピード決着したのは「トランプ大統領と安倍晋三首相の良好な関係が大きかった」(交渉関係者)とされる。

新型コロナウイルス流行で経済が疲弊する中、輸出拡大のため、米国がコメや乳製品などの市場開放を日本に要求してくる可能性は排除できない。日本の農業団体は警戒を緩めていない。

今秋には、東南アジア各国に日本や中国などが加わる東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉がヤマ場を迎える。機能不全に陥った世界貿易機関(WTO)改革も急務だ。菅原淳一みずほ総合研究所主席研究員は「自由貿易圏の拡大を推進できるか新首相の手腕が問われる」と話す。

足元では、日本と英国の貿易交渉が大詰めを迎えた。2021年初めに新協定を発効させ、英国のEU離脱に伴う混乱を回避するには、残された時間は少ない。

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