デジタル名刺、じわり浸透=コロナ禍、ビデオ会議拡大で

経済・ビジネス

新型コロナウイルス禍を受け、社会人の名刺交換をデジタル技術で橋渡しするビジネスが広がり始めた。企業の営業活動がビデオ会議方式にシフトする中、居場所を問わず、取引先候補と手軽にあいさつを交わし、オンラインで会合や商談を進められるのが特長。ただペーパーレス名刺の認知度はまだ低く、人同士の接触機会を減らす新様式の普及に向け、使い勝手の向上が課題だ。

在宅勤務の浸透などを踏まえ、企業の営業担当者らの間でビデオ会議システムを利用する動きが拡大。名刺管理システム大手Sansan(サンサン)が6月から始めた法人向けの新機能では、ウェブ画面を通じて知り合った商談相手らの正確な所属・役職などを知りたい場合、登録済みの自分のデジタル名刺を交換相手がスマートフォンなどに取り込めるURLを送信する。

受け取った相手が同じサービス利用者の場合、クリックすれば交換は完了。利用者でなくても、ビデオ会議中のメッセージ欄にURLを貼るなどしてもらい、表示されたQRコードを読み取って、スマホで自ら名刺を撮影すれば電子化された名刺を相互に確認できる。サンサンによると、法人顧客約6000社の半数が既に活用。「ウェブ会議に参加すると誰がどういう立場か分からなかったり、顧客情報として蓄積できなかったりするケースが多い」(広報)といい、評判は上々だ。

法人契約先の三井住友信託銀行の塚本篤史業務プロセス・デジタル化推進チーム長は、「名刺は顧客との大切な接点。非対面の営業でも生かしていきたい」と話す。経済産業省も7月にシステムを導入したほか、ビジネス参入も相次ぐなど官民で利用が広がる。

ただ、中小企業などITになじみの薄い取引先への交換方法の説明に苦労するとの声も上がる。サンサンの福永和洋マーケティング部副部長は「電子名刺交換の認知はこれから。使い勝手の向上に最優先で取り組んでいく」と話している。

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