専門家「出馬しやすい環境を」=女性候補ゼロ見通しに―自民総裁選

政治・外交

安倍晋三首相の後継を決める自民党総裁選では、立候補を模索していた稲田朋美幹事長代行と野田聖子元総務相がいずれも不出馬を表明し、女性候補は一人も出ない見通しとなった。過去にさかのぼっても女性議員の立候補は1度しかなく、専門家は女性が出馬しやすい環境の整備が必要と指摘する。

2008年の同党総裁選では、現東京都知事の小池百合子氏が女性として初めて出馬したが、その後は男性候補から総裁を選ぶ状態が続いている。政府は7月、指導的地位に占める女性の割合を20年までに30%に引き上げるとの目標を「20年代の可能な限り早期」に先送り。政治に限らず、社会全体でも女性登用は遅れている。

上智大の三浦まり教授(政治学)は今回の総裁選を、「ある程度出来レースな上に派閥の中で決まってしまう。決定までの過程も見えてこない」と分析。「世論を重視したりオープンな予備選挙などで透明性を高めたりすれば、多様な人が地位に就ける可能性が高まる」と語る。

その上で、新型コロナウイルスへの対応で台湾やニュージーランドの女性指導者が注目されていることを踏まえ、「女性リーダーが選ばれる国は全体的に人材登用がフェアだ」と指摘。「限られた人材から不透明に決める自民党総裁選のシステムは日本政治の停滞感を生んでおり、女性候補者が出てこないのはその問題の表れだ」と述べた。

評論家の荻上チキさん(38)は「れいわ新選組の議員が当選したことで国会のバリアフリー化が一気に進んだ」と強調。「政治家は立法だけではなく、ロールモデルを示すことも仕事。より多くの女性を国会に送り出し、女性議員が活動をしやすい環境を整える必要がある」と話した。

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